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スカイキャプテン・ワールド・オブ・トゥモロー

スカイキャプテン ワールド・オブ・トゥモロー プレミアム・エディション
スカイキャプテン ワールド・オブ・トゥモロー プレミアム・エディション

公開終了間近だったので昨日、『スカイキャプテン・ワールド・オブ・トゥモロー』を見て来た。最高のおたく映画だった。なんてったって、監督のケリー・コンランが認められたのが4年という歳月をかけ作り上げた、たった6分間の映像であるっちゅうことがおたく映画たる証しだろう。4年で6分って・・・1年で90秒の映像である。きっと亀よりおそい。なめくじよりもきっとおそい。まる虫よりもおそいはず・・・。とにかくとろい・・・。ほんと気の遠くなるような作業だったはず・・・。なんでも、自宅のアパートにブルースクリーンを張り、旧式のMacを使い、CGと人物(演劇学校の友人や家族に演じてもらったらしい。)を合成して、ひたすらコンラン独特の映像を創り続けていたとか。しかも、たまに生活のためにバイトするぐらいであとはほとんどこもりっきりで映像作りに没頭していたらしい。こりゃ、認められたからいいものの認められなかったらただの変人ですよ!しかし、そういう話を聞くと僕は見たくてたまらなくなるわけでして、おそまきながら見てまいった所存でありまして・・・。いやー、とにかく映像が面白い!設定が1936年のニューヨークに突然ロボットの集団が攻めて来て・・・それをプロペラ機(カーチスP-40)を巧みに操るスカイキャプテンこと、ジュード・ロウが迎え撃つってとこから始まる、レトロな古き良き?時代のSF映画リヴァイバルって感じなんだが、そういう時代のSF映画を、人物以外すべてCGで作り込んだところにこの映画の面白さがあって、しかも映像の造り込みがはんぱないほどスゴイ!(わざとチープにみせてるところもあったりするが、それもぴったりとはまっていていい感じ。)カッサンドルのポスターを映像にしたような場面も多々あって、レトロなセンスもかなり僕好み。飛行機内のコクピットデザイン、30年代風のラジオや通信機のレトロデザインもかなりグッときた。 年々、頭の生え際の後退が気になるもののジュード・ロウなんてかなりのはまり役。ほんと古典的な男前って感じですごくいい。(こりゃ、クリストファー・ノーランの映画化する『奇術師』もかなり期待できるな。)はと胸、鶏ガラ女優グウィネス・パルトロウも30年代ファッションに身を包んですごくよかった。ジュード・ロウ、グウィネス・パルトロウの会話もいいセンスで、にんまりすること多数。唇の厚みがもはや犯罪の域に達している感のあるアンジェリーナ・ジョリーなんて出番は少ないが最高にいかしてる!と、この映画、僕はかなりはまった。DVD発売されたらたぶん買ってしまうだろう。しかし公開期間が短すぎるのはなんとも残念だなあ。意外と面白いのに・・・。ケリー・コンラン監督の次回作かなり楽しみだ。 
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オールド・ボーイ

オールド・ボーイ プレミアム・エディション
オールド・ボーイ プレミアム・エディション

よくできている!さすがはタランティーノ絶賛、2004年カンヌグランプリの韓国作品である。主演のチェ・ミンシクの顔の濃さもさることながら、映画の持つ濃い〜パワーに圧倒されっぱなしの2時間だった。原作は’96年から『漫画アクション』で連載が開始され、’98年に終了した『オールド・ボーイ・ルーズ戦記』という日本のマンガ。これもさっそく読んでみたのだが、映画の脚本のほうが断然キレていた。映画のラストは原作マンガと大きく異なり、より深く恐ろしい。主人公の設定にも多少の違いがあり(マンガでは独身、映画では既婚者。)この違いも映画とマンガで大きく違うラストに大きく関係している。現代社会のタブーを扱ったラストに賛否両論はあると思うが、デ・パルマを彷佛とさせる画面ニ分割シーン、セピアで撮り上げた回想シーンの構成の不思議な感じ、哲学的かつ意味深なセリフの数々、練り上げられたストーリー展開と、映画に対する監督・スタッフたちの情熱が半端じゃなくバシバシと伝わって、いやー興奮しまくり!俳優の演技も素晴らしく、悪役であるウ・ジテの存在感は、ハリウッド俳優にはないアジア俳優のカッコよさがあった。この映画は一度は見ておくべき映画だと思う。タランティーノ以降の新しい映画の潮流ではないだろうか。(ただしバイオレンス映画嫌いの人には全くおすすめできない話だ。)
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2046

2046
2046

2046』を見た。
あまり期待していなかったが、やはり期待しないなりの映画だった。物語の盛り上がりのなさといったら・・・。ウォン・カーウァイ監督の世界観が嫌いな人にとっては退屈きわまりない映画だと思う。実に平坦なストーリー展開である。脚本なしにその場の展開で話を創り上げてゆくウォン・カーウァイ監督らしく、ブツ切られた場面場面を、カーウァイ流に無理矢理?繋ぎ合わせ料理した作品であった。こんな映画に5年もかけるなんて・・・。(しかも、カンヌ映画祭出品時、上映の直前まで編集していたらしい。結局間に合わず、無理矢理編集したやつを上映したらしいが・・・。)カーウァイ監督やりたいほうだいである。実にわがまま感満載である。 俳優さんたちもスケジュール調整こまったんやろなあ・・・。大きな劇場でかなり拡大公開されているけれど、この映画は単館系の小さな映画館でやるべきではないか?ウォン・カーウァイ作品好きには、クリストファー・ドイルの感覚的でありながら、絶妙に構成されているカメラアングルに、毎度のことながらさすが!と拍手を送るであろうが、普通に映画を娯楽として楽しみたい人にとって、カメラアングルなんてどうでもいいはずで、ストーリーさえしっかりと整っていればいいんである。が、そのストーリーが普通の人に理解不能とくれば、これはもう物好き&かわり者集う単館系での公開しかなかったんじゃないのか・・・。でも、拡大ロードショー。あきらかにキムタク出演による金儲けの皮算用が・・・。映画業界もコワイぜ!と言いつつ、この映画、僕は嫌いじゃない。(が、けっしておもしろくはない。)カーウァイ監督の前作『花様年華』と登場人物、設定などにリンクしたところがあり、2046号室という部屋も『花様年華』にすでに登場していたりして、映画『2046』は『花様年華』の忠実な続きというわけではないけれども、パラレルな世界での続きといった感が強い。『花様年華』の世界観と『2046』の世界観は地続きなんである。で、それこそが今現在のウォン・カーウァイ監督が描きだしているカーウァイの世界観なわけだが、それが僕はかなり好きなんである。<衣装、セット、小道具、造形物から街の作りにいたるまで、すべてが素晴らしい!(特に僕が気に入ったのは、チャン・ツイイーがベッドの下に隠している、お金をため込んだ古ぼけたブリキの箱の形!これがナイス造形なんである。あったらかなりほしい代物だ。)『花様年華』同様、美術担当はウイリアム・チョン。この人のセンスはほんといい。『花様年華』でのマギー・チャンのチャイナドレスは、めちゃくちゃ綺麗だった。今回の『2046』では、チャン・ツイイーの衣装が白眉だろう。ウイリアム・チョンの創りだす、アジアとヨーロッパの文化が微妙に影響しあい融合した、1967年の香港のイメージは実に魅力的だ。ずっとその世界観のなかに入り浸っていたくなる。撮影のクリストファー・ドイルのセンスは言わずもがな。映像カッコよすぎでほれぼれする。しかし、ウォン・カーウァイ監督、かなりSな視点でこの映画を撮ってるよな。トニー・レオン演じるダメ男とそれに翻弄されまくりなチャン・ツイイーの関係なんて、まさに精神的SとM。現実にカーウァイ監督はドSなんではないかと思わせまくりなシーン多数で、ちょっと僕はひいちゃいましたが・・・。あと女優を官能的に撮るのがうまいのなんの。ドレスの裾から微妙に足先がでているところをアップで捉えて映し出すシーンなんかは、実に艶かしい。つうかエロい。がこれが実に綺麗。カーウァイの美学ここに極まれり!つう感じである。ところで、肝心のキムタクはというと・・・正直なところ、あまり印象残らねえ〜っ。&セリフがくせえ〜っ。(ファンの方には申し訳ないですが、個人的な意見として・・・)映画のところどころで囁かれるキザで臭いセリフは、カーウァイ監督の持つ独特の美学なんだと思うんだが、これを日本語で聞いちゃうとくさいのなんのって。実際、思わず吹き出しそうに・・・。カーウァイ監督作品に日本語はまるで似合いません!キムタクも広東語で演技すれば少しは様になったような・・・ならないような・・・。というよりストーリー自体、カーウァイ風味に突っ走りすぎてて、観客おいてっちゃってるんで、もうどうしようもなかったのかもしれないが・・・。はたして、ウォン・カーウァイ監督の次回作はいつごろ出来るんだろう?今度は制作期間、5年ではすまないかもしれない。何年かかって作り上げるのか、作品自体よりそっちのほうがなんか楽しみだったりして・・・。
  
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