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Jessica Joslin

☆Jessica Joslinのアートワーク



シュヴァンクマイエルばりに動物の骨を使い、奇妙なオブジェを創り上げるアメリカのアーティスト。
個人的にシュヴァンクマイエルよりも乾いた印象を受けます。
鉄、ベルベット布、皮(作品によっては蛇革とかも使ってる。)の使い方が、なんか、ぐっ!ときます。

☆Jessica Joslinのサイト
http://www.jessicajoslin.com/jessica/
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Kris Kuksi

☆アメリカのアーティスト、Kris Kuksiのアートワーク↓



バロック建築を思わせる超過剰装飾!!
ギーガーを思わせる陰鬱な雰囲気!!
ヤレレタっ〜!て感じで、ゾクゾクきます!!

ちなみにこのお方、ヒロエニムス・ボシュを尊敬しているらしいですよ。

☆Kris Kuksiのサイト↓
http://www.kuksi.com/
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Ada Sadler

☆アメリカの画家、Ada Sadlerのオイルペインティング。↓


椅子だけしかない絵。
バスタブとおもちゃ。
ただのものしか描かれていないのに、どことなく人の気配がして、
物語性が静かに浮かび上がってくる感じが好きです。

☆Ada Sadlerのサイト↓
http://www.adasadler.com/index.html
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Agatha Katzensprung

ドイツの写真家、Agatha Katzensprungの作品。


ギリアムの『ローズ・イン・タイドランド』、ワイエスの絵世界を彷彿とさせる写真。どことなくアリス的な感じもしたり。土っぽい色彩と構図が素敵です。

☆Agatha Katzensprungのページ↓
http://gallery.smsviawap.de/category.php?cat=3
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Maggie Taylor

☆アメリカのアーティスト、Maggie taylor(マギー・テイラー)のアートワーク。↓
どうやら、スキャナで取り込んだ画像をフォトショップでデジタルコラージュ処理して作品化しているみたい。




幻想的かつシュールな感じがいいですね!
彼女の作品を眺めていると、なんとなく、バリー・ユアグローの超短編小説『一人の男が飛行機から飛び降りる』が思い浮かびます。↓

一人の男が飛行機から飛び降りる
一人の男が飛行機から飛び降りる
 

☆Maggie Taylorのサイト↓
http://www.maggietaylor.com/

☆Maggie Taylor関連の本↓
Maggie Taylor?'s Landscape of Dreams: Adobe Photoshop Master Class (Master Class (Adobe))
Maggie Taylor?'s Landscape of Dreams: Adobe Photoshop Master Class (Master Class (Adobe))
Amy Standen
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Su Blackwell

☆一冊の本を、ちょき!ちょき!切って!切って!くりぬいて!
作品を制作している、イギリスのアーティストSu Blackwellのアートワーク↓





以前記事にしたPeter Callesen(ピーター・コールセン)↓
http://akirart.blog.bai.ne.jp/?eid=58936
の作品とも近いものを感じます。 
二枚目の画像の、箱の中に鳥のコラージュなんてのは、かなりジョセフ・コーネル的だなあ!と。
三枚目はアリスの本を切り抜き作品に。アリスって題材を扱うセンスが好きです。 

☆Su Blackwellのサイト↓
http://www.sublackwell.co.uk/
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Julien Pacaud

☆フランス人アーティスト、Julien Pacaudのコラージュアート↓
(古い雑誌とか使ってフォトショップで作品作りしているらしいです。)




色彩といい、構成といい天才的なコラージュ感覚!
こんな作品のでっかいポスターとか部屋に飾りたいなあ!

☆Julien Pacaudのサイト↓
http://www.institutdrahomira.com/julienpacaud/
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The Little Girl Giant 『The Sultan's Elephant』

さて前前回記事にしたロン・ミュエクに続いて今回もリアルな身体かつ巨大な人形アートをおひとつ。
☆まずはここの素晴らしい動画を御覧あれ!↓
http://www.devilducky.com/media/46655/

2006年5月に『Royal de Luxe』という劇団がロンドン市内で道路を通行止めにしておこなった屋外劇『The Sultan's Elephant』(サルタンの象)のワンシーンであります。
(日本ではこういうショ−許可されないんだろうなぁ…)
もうね、この映像には圧倒されまくりですよ。
巨大少女の仕草のなめらかなこと!
瞼の動きとか、髪をかきあげる仕草とか…
溜め息が洩れるほど美しいです。
まるで、四谷シモンの機械仕掛け人形が巨大化して動きだしたかのよう。赤服盛装の大の男達がロ−プを操り巧みに巨大少女を操縦している様が、一つの動きにも妥協を許さない、こだわり職人気質満開で素晴らしいです。彼等が『ガリバー旅行記』の小人みたいに見えるところも最高。
途中のシーンで子供達が巨大少女の腕にのって少女の顔を見上げるシーンがありますが、あれなんか一生の思い出になるんじゃないかなあ。いいなあ!といたく感動。
この夢みたいに素晴らしい野外劇、実際に見てみたかったなあ。と地団駄を踏む今日この頃でありました。





☆『The Sultan's Elephant』のサイト↓
http://www.thesultanselephant.com/

☆『The Sultan's Elephant』公演の本↓
Four Magical Days in May
Four Magical Days in May
Nicky Webb
 
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ロン・ミュエク Ron mueck

ロン・ミュエクのア−トワ−ク↓


僕が彼の作品を初めて見たのは2003年に国立国際美館でおこなわれた『連続と侵犯』展において。次に見たのが去年おこなわれた東京都現代美術館での『カルティエ現代美術財団コレクション』展でした。
最近の現代美術家ではもっとも好きなアーティストです。
もともと映画や子供番組の模型造形を職業としていただけあって、彼の作り上げる人体彫刻は、今にも動き出しそうなほどめちゃくちゃリアル!(血管の浮き出た皮膚の質感から、毛髪、毛穴、眼球に至るまで、実物を見るとその繊細な作り、リアルさに誰もが感動を覚えるハズ。)
しかも、上記の画像のような巨大な少年(約5mあります。)を作ったり、80cmほどの老婆を作ったり…まるでそれはドラえもんのビッグライト&スモールライトを当てられた人々のよう!
平均的な身体サイズをずらすことにより生じるほんの少しの差異により、人体像は異質な存在に変化して見え、鑑賞者側はどこか奇妙な感覚を覚えます。
この差異による違和感は、人間が有する異質なものに対する警戒の本能であり、平均的であることに平穏、安心感を感じてしまう社会において強く機能する恐怖の感情なのではないかと思います。(見世物小屋、フリークスetc.)この感情がプラスに働けば畏怖、尊敬に、マイナスに働いてしまうと差別、隔離、いじめといった人間の狡猾で残虐な部分をさらけ出してしまう。ロン・ミュエクのリアルでありつつ、あえて大きさを偽わった身体像は、そういった人間の本質や身体の持つ、普段気付かない特異性を鑑賞者にさらけ出し問い掛けているように思えます。

☆ロン・ミュエクのアトリエ風景


覆ってあるビニルがなんかエイリアンの繭っぽい…。とこがたまりません!↓(ちなみにこの作品の大きさは70cmぐらい。)


上の画像の完成作品がコレ↓


☆ロン・ミュエクの作品が見れるページ↓
http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/gallery
/2005/12/29/GA2005122900888_index_frames.htm?startat=1


☆ロン・ミュエクの作品集↓
Ron Mueck: New Work 2005
Ron Mueck: New Work 2005
Robert Rosenblum, Patrick Gries
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petra mrzyk & jean-francois moriceau

☆Petra & Jean-Francois Moriceauの白黒アートワーク。↓




☆このプジョーのナイスCF!のアニメーションも彼等の手によるもの。↓


ちなみに、このCFに使われているかっちょよい曲は、
わたくしお気に入りSimian(シミアン)の『La Breeze』!!
(サビんとこがちょっとJETっぽいなあ。と聞くたび思う曲であります。)

『La Breeze』収録アルバムがコレ↓
We Are Your Friends
We Are Your Friends
Simian


☆あとAirの『Don't Be Light』のPVのアニメーションも、
petra mrzyk & jean-francois moriceauがやっとります。↓
(白黒ウネウネ気持ちいい!)


☆petra mrzyk & jean-francois moriceauのサイト↓
http://www.airdeparis.com/jfp.html

Trois Fois Plus
Trois Fois Plus
Jean Francois Moriceau, Petra Mrzyk
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KILLER BONG / BLACK BOOK

MoscowDub(モスクワダブ)↓

MoscowDub
MoscowDub
 
と同時発売されたキラー・ボングのコラージュアートワーク集『BLACK BOOK』を買いました。↓

BLACK BOOK
BLACK BOOK

☆中身はこんな感じ↓






手帳サイズの黒い本の中に、彼の音世界とも通ずる、
混沌としたコラージュの反復!反復!反復!
そのブッ飛び方が実にクール!

☆KILLER BONGのサイト↓
http://powershovelaudio.com/album/xqbp1016/
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Vania zouravliov





グラフィック・アーティスト、Vania zouravliovのアートワーク。
丸尾末広っぽいなあ。と思ってたらこの人、丸尾末広とか山本タカトの作品が本当に好きらしいです。
とても僕好みの作品であります。実物が見てみたいなあ。

☆Vania zouravliovのサイト↓
http://www.unclevaniart.com/index.htm
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Amy Cutler



↑Amy Cutlerの絵。
彼女は1974年生まれ、ニューヨークを拠点に制作しているアーティスト。
白い紙の余白の取り方が実に巧いなあ…と画集を見るたびそのセンスに感心します。
繊細なタッチで描き出す不可思議な世界観がたまりません!

☆Amy Cutler作品の見れるサイト↓
http://www.tonkonow.com/cutler.html

Amy Cutler
Amy Cutler
Lisa D. Freiman
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ロバート・サブダ


ポップアップ絵本の奇才ロバート・サブダ の展覧会、
『ロバート・サブダ しかけ絵本の世界展』が、
西武池袋本店イルムス館2階、西武ギャラリーで12月13日(水)〜12月25日(月)に開催されるようです。↓
https://www2.seibu.co.jp/wsc/010/N000014949/0/info_d

ロバート・サブダの作品のほか、名作と呼ばれるアンティークのしかけ絵本も展示されるって…
これ、ぜひ観に行きたいなあ…。

☆ロバート・サブダのサイト↓
http://robertsabuda.com/

僕も『Winter's Tale』『The Night Before Christmas』の二冊を持っているんですが、これはもはや絵本ではなく、アートです!

Winter?'s Tale: An Original Pop-up Journey
Winter?'s Tale: An Original Pop-up Journey
Robert Sabuda

The Night Before Christmas: A Pop-Up (Classic Collectible Pop-Up)
The Night Before Christmas: A Pop-Up (Classic Collectible Pop-Up)
Robert Sabuda, Clement Clarke Moore
  
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Michael Demeng

☆アメリカのアッサンブラージュアーティストMichael Demengのアートワーク↓



いやー、かなりぶっ飛んでます。
アッサンブラージュってのは、コラージュが平面の紙とかを貼付け作品化する技法なのに対し、立体物を張り付け、作品化する技法のこと。
僕もこの技法で作品を作っているわけですが、Michael Demengの作品は見れば見るほど参考になります。僕は詩的かつノスタルジックな作品造りを目指しているわけですが、彼の作品は、ロックかつメタルな匂いがプンプンいたします。おもしろいなあ!

☆思わず来年5月発売の作品集をamazonで予約してしまいました。
忘れた頃に届くな…きっと…。↓
Secrets of Rusty Things: Transforming Found Objects into Art
Secrets of Rusty Things: Transforming Found Objects into Art
Michael Demeng

☆Michael Demengのサイト↓
http://michaeldemeng.com/
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Tom Gallant



Tom Gallantの切り絵アートワーク。
彼の作品の面白いところは、ヌードグラビア(エロ本。)の一部を切り抜き、それを新しいイメージに変換し作品にしているところ。
ヌードグラビアの持つ卑猥な湿っぽさが作品から微妙に感じられて、そのへんが非常におもしろい。 
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Marcel Dzama



上の絵はBeckのアルバム『Guero』

グエロ~JPツアー・エディション
グエロ~JPツアー・エディション

のジャケット絵でおなじみ、
カナダ人アーティストMarcel Dzamaのペインティング作品。
気の抜けたタッチが実に味わい深い。 

☆Marcel Dzamaのペインティングが見れるサイト
http://www.richardhellergallery.com/dynamic/artist.asp?ArtistID=3

☆Marcel Dzamaの作品集。
Marcel Dzama: Paintings & Drawings
Marcel Dzama: Paintings & Drawings
Marcel Dzama

Drawings by Marcel Dzama: From the Bernardi Collection
Drawings by Marcel Dzama: From the Bernardi Collection
Marcel Dzama, James Patten
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Mary Doyle




前々回紹介した、Elizabeth McGrathの作風と何処となく似た感のあるMary Doyleのアート。
奇妙なパンダ人形のキッチュな感じがなんとも言えずよい。 
あと、箱形オブジェ好きにはたまらん、像の玉乗りジャンクオブジェはなんかロック!

☆Mary Doyleのサイト
http://www.buffoonmeat.com/index.html
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Claudia Drake

さながら、マックス・エルンストの『百頭女』の現代版とも言えるような、Claudia Drakeのデジタルコラージュ作品。
コラージュ好きにはたまりません!↓




☆Claudia Drakeのサイト↓
http://www.urgent-alchemy.com/

☆マックス・エルンストの『百頭女』
(コラージュの神髄ここにあり!)↓
百頭女
百頭女
マックス エルンスト, Max Ernst, 巌谷 国士
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Elizabeth McGrath

ティム・バートンの『コープスブライド』にゴスなグロさをミックスしたような、Elizabeth McGrath(エリザベス・マクグラス)のアートワーク↓



↑僕のお気に入りは、木製の額の中に奇妙な生き物たち(双頭であったり、血まみれだったり…)が置かれているオブジェ作品シリーズ。
小さな木製劇場のなかで、夜な夜な不可思議な劇が人知れず繰り広げられている…って感じが最高にイイ!!

☆Elizabeth McGrathのサイトはコチラ↓
http://www.elizabethmcgrath.com/index_flash.html

☆Elizabeth McGrathの作品集↓
Everything That Creeps
Everything That Creeps
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Robert Shana & ParkeHarrison



↑ロバート&シャナ・パークハリソンの写真。
僕が彼等の写真を知ったのは、今はなき光琳社出版の本『記憶・記録の漂流者たち』って図録から。幻想的かつノスタルジックな、どこか懐かしくも不思議な世界観はこの時期にピッタリかと。
夫婦でこんな写真ばっかり撮ってる、この人たちって…なんかロックだよなあ…!って写真見るたびいつも思います。

☆ロバート&シャナ・パークハリソンのサイト↓
http://www.parkeharrison.com/

☆パークハリソンの写真集↓
The Architect?'s Brother
The Architect?'s Brother
Robert Parkeharrison, W. S. Merwin


そして、こちらも秋の物寂しい…というか、メランコリックな雰囲気満点の、マット・マハリン(matt mahurin)の写真。
(トム・ウェイツの『ミュール・ヴァリエイオションズ』のアルバムアートワークに使用されているものです。)↓

初めて見たときはロバート&シャナ・パークハリソンの写真と実に雰囲気が似ていて、彼等が撮った写真かと思いましたがマット・マハリンの作品でした。
マット・マハリンは、このあとトム・ウェイツの『アリス』『『ブラッド・マネー』でもアルバムアートワークの写真を担当しています。
 
☆マット・マハリンの写真集↓
(この表紙写真を見ると、なぜかデヴィッド・リンチの『ツインピークス」を思い出してしまうんだけど、なぜだろう?
どこか、人間の内面の狂気を感じさせるからかなあ…。)
Matt Mahurin
Matt Mahurin
Matt Mahurin

☆トム・ウェイツのアルバム『ミュール・ヴァリエイションズ』↓
(このジャケット写真もマット・マハリンの仕事です。)
ミュール・ヴァリエイションズ
ミュール・ヴァリエイションズ
トム・ウェイツ, キャスリーン・ブレナン

☆そうそう、トム・ウェイツがレア楽曲を集めたボックス・セット、
『Orphans: Brawlers, Bawlers & Bastards』を11月21日に発売するらしいです!CD3枚組で94ページのブックレットきの全54曲!
なかにはラモーンズのカヴァーや、ジャック・ケルアック、チャールズ・ブコウスキーらの詩に曲をつけた楽曲も収録されているんだとか!
見た感じ、『Orphans』のアルバムジャケットもマット・マハリンの仕事っぽいなあ!↓
Orphans
Orphans
Tom Waits

 
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石田徹也遺作集


石田徹也遺作集
石田 徹也

石田徹也遺作集。
彼は2005年5月23日、31歳の若さで亡くなった。
僕は今年31歳。
つまり、今の僕の年齢で亡くなられたことになる。
僕と同年齢の人の死。同年齢の芸術家の死。
それだからこそ、彼の死を知ったとき僕は強い衝撃を受けた。

彼の絵をじっと眺めていると、世代が近いということもあるのか、
持っている感覚に近いものがあるのか、
(彼の方がずっと繊細な人だと感じるけれども。)
彼に対して妙に親近感を感じてしまう。
(本人にお会いした事はなかったのですが…)
 
この画集の帯には…
「何かずーっと描いていて、描くのが僕だったと思う。描かないと僕じゃないような…。」
と石田徹也氏自身の言葉が綴られている。
生きる事に不器用で、ただただ絵を描き続けた男。絵を描き続けるというオブセッション(脅迫観念)にのみ、彼は生の充足を得ていたのではないだろうか? 
最近のアーティストには珍しく昔堅気な画家気質を持った、実に芸術家然とした絵描きだと思う。
彼のような、世間の目や社会に踊らされず一つの事に集中しつづける人に、僕はたまらなく魅力を感じる。

彼自身のパーソナルな感情と現代社会の閉塞感がリンクした絵には、愚直すぎるほどの彼の繊細さが滲み出ていて、哀しすぎるほどに痛々しい。その痛々しく繊細で神経質な筆遣いは、心に何かズシンとした重いものを残す。彼の絵には、世界に対する彼自身の孤独と、誰もが潜在意識下に持つ現代社会への不安、不信感が、いっしょくたに混ざり合い蠢き存在しているように思える。彼の絵は意識的か、無意識的なものかは分からないけれど、社会の欺瞞を静かに暴いているような気がしてならない。それだからこそ、強く心に訴えかけてくるものがあるのだと思う。
 
生前、彼は幾つかの賞を取っているが、それにしても、もっと評価されてもよかったのではないかと個人的には思う。
僕は、この石田徹也遺作集を眺めるたび心の奥の方がちくちくと疼く。この先、新しい作品が決して、生み出される事がないのだと思うと残念でならない…。

☆石田徹也遺作集に掲載されている、
哀しいユーモアに彩られた絵の数々。↓



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ロブ・ゴンサルヴェス


カナダの画家、ロブ・ゴンサルヴェスの作品。
不思議で、どことなくかわいらしいだまし絵の名手です。

☆ロブ・ゴンサルヴェスの作品が見れるサイトはコチラ↓
http://www.progressiveart.com/gonsalves_page.htm 

☆ロブ・ゴンサルヴェスの絵を使った絵本。↓

終わらない夜
終わらない夜
 
真昼の夢
真昼の夢
 

☆紀ノ国屋の洋書バーゲンで手に入れた、だまし絵の巨匠達(アルチンボルド、エッシャー、ダリ、福田繁雄、ヴィック・ムニーズ…etc.)の作品を収めた作品集。
安い割に図版が充実の良本!!ロブ・ゴンサルヴェス作品も載っています。(ちなみに表紙絵もロブ・ゴンサルヴェスの作品。)↓

Masters of Deception: Escher, Dali, & the Artists of Optical Illusion
Masters of Deception: Escher, Dali, & the Artists of Optical Illusion
Douglas R. Hofstadter, Al Seckel

中身はこんな感じ…


↑これはロブ・ゴンサルヴェスの絵ですね。


↑Jos de Meyの絵。
左ページの作品のタイトルは『これはマグリットではない。』というマグリットへのオマージュパロディ画。Jos de Meyはルネ・マグリットとエッシャーを足したような作品を多く描いている。


↑ブラジル出身の現代美術家ヴィック・ムニーズの作品。
左ページ作品は、ちっちゃなおもちゃを何千個も使い人物のカタチにした作品。
右ページ作品は、白い皿の上のスパゲッティとソースでメデューサのカタチを作り、それを写真に撮った作品。彼は他にも、砂糖やチョコレートソースで人物を描き写真におさめたおもしろい作品を発表している。

☆ヴィック・ムニーズのサイト↓
http://www.vikmuniz.net/main.html
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ピーター・コールセン Peter Callesen


紙技の魔術師、ピーター・コールセン。

彼の作品は素敵すぎますっ!!

☆ピーター・コールセンのサイト
(たった一枚の紙切れから紡ぎだす、無限大の想像&造形力!)↓
http://www.petercallesen.com/
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アルベルト・ジャコメッティ

ジャコメッティ特集ということで芸術新潮7月号を買いました。

芸術新潮 2006年 07月号 [雑誌]
芸術新潮 2006年 07月号 [雑誌]

☆新潮社のサイト↓
http://book.shinchosha.co.jp/geishin/

中身はこんな感じ↓

(思っていたより作品写真が多く、ジャコメッティ入門的なわかりやすい内容もグッド!)

アルベルト・ジャコメッティはスイス生まれの彫刻家で、手跡が残る荒々しいマチエールの、極限までにカタチを削ぎ落とした人体像で知られる巨匠です。現在、神奈川県立近代美術館 葉山で展覧会が行われているのですが、それにあわせての特集のようです。
神奈川県立近代美術館 葉山といえば、去年の9月に『ヤン・シュヴァンクマイエル』展を観に行った美術館であります。海に面した美術館で、とても雰囲気のある良い美術館でした。
『シュヴァンクマイエル』展も最高に良かったなあ!

(↑『シュヴァンクマイエル』展を観に行ったおり、海側から美術館を撮った写真。)

☆神奈川県立近代美術館のサイト↓
http://www.moma.pref.kanagawa.jp/museum/ 

なお、『アルベルト・ジャコメッティー矢内原伊作とともに』展は、
●神奈川県立近代美術館 葉山(6月3日〜7月30日)
●兵庫県立美術館(8月8日〜10月1日)
●川村記念美術館(10月10日〜12月3日)
と、巡回して行く模様。
今回は神奈川県まで行けないので、兵庫県立美術館で見ようと思ってる次第であります。
彫刻作品以外にも、ペインティング作品も多数展示されているということなので、今からとても楽しみです! 

☆8/19追記。
アルベルト・ジャコメッティ展の感想UPいたしました。コチラ↓
http://akirart.blog.bai.ne.jp/?eid=62700

Alberto Giacometti: A Biography of His Work
Alberto Giacometti: A Biography of His Work
Yves Bonnefoy, Jean Stewart

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ちなみに僕の好きな彫刻家ベスト3は…

もちろん、1.アルベルト・ジャコメッティ!!





↑10年程前に東京で『アンドリュー・ワイエス』展を見た帰りに古本屋で買ったジャコメッティの作品集。当時1800円ぐらいで売ってました。安いながら宝物であります。

んでもって、2.アントニー・ゴームリー

↑アントニー・ゴームリーの『BED』(膨大な数の食パンをかためて、人型にくり抜いている作品。Rockっす!)

☆アントニー・ゴームリーの公式サイト↓
http://www.antonygormley.com/

Antony Gormley (Contemporary Artists)
Antony Gormley (Contemporary Artists)
John Hutchinson, E. H. Gombrich, Lela B. Njatin, William J. Mitchell


3.アルナルド・ポモドーロ

↑『カルティエ現代美術財団コレクション』展を見た帰りに撮った東京都現代美術館常設の、アルナルド・ポモドーロ作品。 

☆アルナルド・ポモドーロ作品の見れるサイト↓
http://www.adhikara.com/arnaldo-pomodoro/index.html

Arnaldo Pomodoro: General Catalogue of Sculptures
Arnaldo Pomodoro: General Catalogue of Sculptures
Flaminio Gualdoni


次点で4.リチャード・ディーコンです。

☆リチャード・ディーコンのサイト
http://www.richarddeacon.net/flash.html

Richard Deacon (Contemporary Artists)
Richard Deacon (Contemporary Artists)
Penelope Curtis, Pier Luigi Tazzi, Peter Schjeldahl, Mary Douglas, Richard Deacon, Jon Thompson 

しかし、アントニー・ゴームリーしかり、リチャード・ディーコンしかり、彫刻家のサイトはミニマルな雰囲気が非常にカッコいいですなあ…。
 
 


 
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幻獣標本採集誌 江本 創

幻獣標本採集誌
幻獣標本採集誌

↑江本創『幻獣標本採集誌』を購入。
江本創氏の素晴らしい異相生物世界に見入る。
前作『幻獣標本博物記』↓

幻獣標本博物記
幻獣標本博物記

よりも妄想造形度がUPしていて嬉しいかぎり。とくに七つの大罪の章に収録された21体のクリ−チャ−的造形は、クロ−ネンバ−グ映画を彷彿とさせる出色の出来。柄本氏の空想力の豊かさには舌を巻きます。

☆『幻想標本博物館』江本創の世界サイト↓
http://sow.ggnet.co.jp/
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武満徹 芸術新潮

芸術新潮 2006年 05月号 [雑誌]
芸術新潮 2006年 05月号 [雑誌]

武満徹氏の特集だったので芸術新潮五月号を購入しました。
東京オペラシティアートギャラリーで開催されている展覧会(4月9日〜6月18日まで。)にあわせての特集号です。
瀧口修造、谷川俊太郎らと交流があった作曲家、武満徹の展覧会。
彼の創作の源となったア−ト作品(オディロン・ルドン、パウル・クレ−、ジョアン・ミロ)、彼の遺品や楽譜、彼が音楽担当した映画のポスターなどが展示されている模様。
これはぜひとも見に行かねばっ!と思っている次第であります。

◎芸術新潮の記事にあったのですが、ジム・ジャームッシュ監督の『ナイト・オン・ザ・プラネット』の音楽は最初、武満徹氏に依頼がきていたんですねえ!これは初耳でした。(最終的にはトム・ウェイツが担当しています。)

☆芸術新潮のサイト↓
http://book.shinchosha.co.jp/geishin/

☆『武満徹 ─ Visions in Time』のサイト↓
http://www.operacity.jp/takemitsu2006/

☆『武満徹 ─ Visions in Time』の公式カタログ↓
武満徹―Visions in Time
武満徹―Visions in Time
武満 徹

☆武満徹の楽曲譜面と作品ノート、大竹伸朗の絵画・オブジェ作品をのせたコラボレーション豪華本!↓
武満徹:SONGS
武満徹:SONGS
武満 徹, 大竹 伸朗 

オリジナル・サウンドトラックによる 武満徹 映画音楽
オリジナル・サウンドトラックによる 武満徹 映画音楽
映画主題歌, サントラ

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マーク・ライデン 不思議サーカス

不思議サーカス
不思議サーカス
 
マーク・ライデンの画集が発売されてました。
僕は彼の描くような、
かわいらしいのに、
どこか棘がある絵に何故か強く惹かれます。
彼の絵は薄気味悪い空気を観賞者に放ち続けます。
彼の絵を見ていると、事故現場をちょうど目撃してしまった瞬間、背筋に何か得体の知れない冷たさが走ると同時にわき起こる、奇妙な緊張と同じような感覚を覚えます。それくらい、目をそらせられず、見入ってしまうのです。
むかしのブリキのおもちゃのような、
かわいらしい頭でっかちの人形のような、
ノスタルジックな表層でもって画面をオブラートに包みつつも、その裏側にはライデンが芸術家足り得る所以の、サディスティックで病的な精神世界が巧みな描写力とともに潜んでいます。
シビレます。

☆マーク・ライデンのサイト
(毒々しいファンタジーのオンパレード!)↓
http://www.markryden.com/
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大竹伸朗 STUDIO VOICE idea アイデア

STUDIO VOICE (スタジオ・ボイス) 04月号 [雑誌]
STUDIO VOICE (スタジオ・ボイス) 04月号 [雑誌]
eclipseguide.net

尊敬する大竹伸朗さんの特集ということでスタジオ・ボイス4月号を即購入。
大竹伸朗&都築響一氏の対談、宇和島にあるアトリエの写真、作品写真等が載ってました。
相変わらず大竹伸朗さんは日本一ロック!!なアーティストっす!
宇和島にあるアトリエの写真のなかに、フェルディナン・シュバルのポストカードが貼ってあったりして、なんかグッとくるものがありました。

郵便配達夫シュヴァルの理想宮
郵便配達夫シュヴァルの理想宮
岡谷 公二

2006年10月24日〜12月24日には東京都現代美術館にて『大竹伸朗全景1955-2006』展が開催されるようで、これは絶対行かねばっ!!と思っている次第であります。

☆スタジオ・ボイスのサイト↓
http://www.infaspub.co.jp/studio-voice/sv.html

☆東京都現代美術館のサイト↓
http://www.mot-art-museum.jp/

スタジオ・ボイスと同時にidea アイデアの最新号も購入。↓

こちらも、
■紙葉の上のものたち 装幀におけるオブジェをめぐって 勝本みつる
■テリー・ダウリングの作品
■空中線書局図鑑 未生響の詩と造本
■世界の立花文穂、立花文穂の世界
■書影の幻像 野中ユリの装釘
■書く機械 タイプライター
■クリス・カニンガムのスケッチ
■綺想の衣裳 建石修志の装幀と装画
などなど、かなりわたくし好みの内容!おまけに巻末には大竹伸朗オリジナルポスター付きと言うことなし。特にグラフィックデザイナー、イラストレーターであるテリー・ダウリングのパンキッシュなデザインワークは格好良すぎっ!  

☆idea アイデアのサイト↓
http://www.idea-mag.com/home/index_jp.shtml
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Esquire3月号 ジェニー・サヴィル ルシアン・フロイド

Esquire (エスクァイア) 日本版 03月号 [雑誌]
Esquire (エスクァイア) 日本版 03月号 [雑誌]

タイトルの『美しい本、230冊。』に惹かれてEsquire3月号を買いました。
『ビジュアルに精通した書店24。』と題し、東京・神奈川、京都、大阪等のアート系書店情報が住所付きで掲載されていて、なかなか重宝しそうな雑誌です。(特に京都方面に、行ったことのない書店が幾つかあったので、観光がてらのぞいてみたいっす。)
以前、本屋で見て衝撃を受けた『Jenny Saville』(ジェニー・サヴィル)の画集もちょこっと載ってました。↓

Jenny Saville
Jenny Saville

ジェニー・サヴィルは、人間の身体を一つの肉の塊のように捉えて、どでかいカンバスにダイナミックに描く現代若手女性画家です。
どこか肉屋で売られているブロック肉のようにも感じられる人体の描写は、肉体の持つ、カタチそのものをリアルに表現していて、僕たちが普段気づかないでいる人間の持つ独特なカタチを追求することで、そのモデルの内面へも言及、肉薄しているように思えます。
彼女の描く豊満な女性の絵は一見グロテスクでありつつも、人間の存在感、存在意義を残酷なほどに体現していて、その絵の一筆一筆のタッチには崇高なものすら感じます。
僕はジェニー・サヴィルのペインティングを見て、現代具象絵画の巨匠ルシアン・フロイド(日本ではあまり知られてませんが、スーパーモデル、ケイト・モスのヌード肖像画がクリスティーズのオークションで約8億円っ!!で落札されちゃったりしてる、とんでもない大御所です。しかもこの人、精神分析学者ジークムント・フロイドの孫だったりもします。)のヌードシリーズと同じ匂いを感じました。
人体や自分の肉体を描いた絵は、ナルシスティックな絵に陥ることが多い中、ジェニー・サヴィルやルシアン・フロイドの描く絵は、対象を突き放し、冷静に見つめ、それを描ききる天才的な手と目があるように思います。 

☆ジェニー・サヴィルのサイト↓(何故か見れたり見れなかったり…。)
http://www.geocities.com/craigsjursen/jennysaville.html

☆ルシアン・フロイドのサイト↓
http://www.gis.net/~scatt/artists_online/lfreud.html

Lucian Freud
Lucian Freud
William Feaver

☆マイケル・キメルマンの現代美術家たちへのインタビュー集。
(深夜にロンドンのナショナルギャラリーを歩く、ルシアン・フロイドのインタビューも載ってます。)
語る芸術家たち―美術館の名画を見つめて
語る芸術家たち―美術館の名画を見つめて
マイケル キメルマン, Michael Kimmelman, 木下 哲夫
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桑原 弘明 スコープ少年の不思議な旅

スコープ少年の不思議な旅
スコープ少年の不思議な旅
巖谷 國士, 桑原 弘明

桑原 弘明さんのスコープオブジェ作品集
『スコープ少年の不思議な旅』を買う。
小箱の中に広がるミクロコスモス。
レンズ越しに広がる精巧でノスタルジックな世界。
溜め息がもれるほど美しい。

幾つかのレンズの付いた精巧に作られた美しい小箱↓

中をのぞくと↓

不思議なミニュチュア世界が広がっている。
(覗くレンズとは別のレンズにペンライトで光を当てると別の景色が現れる。)

★現在、銀座の『スパンアートギャラリー』 
http://www.span-art.co.jp/にて
『スコープ少年の不思議な旅』 出版記念展が12月12日(月)〜12月24日(土)(開館時間は11:00〜19:00 最終日17:00)まで開かれているらしい。↓
 
これはぜひ覗いてみたいなあ! 
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ロレッタ・ラックス

LORETTA LUX
LORETTA LUX
ロレッタ・ラックス

最近気になるのは1969年生ドレスデンまれの女性写真家ロレッタ・ラックスの写真。パステル調の淡い色調に縁取られた無垢な瞳を持つ子供達。初めて見た時は絵ではないかと思ったのだが、デジタルカメラで撮影した子供達(多くは友人の子供達。)と風景写真、及び描いた背景物をデジタル合成、色彩を調整したものをプリントしているらしい。
一瞬、見ると色彩もとても美しく、子供達もかわいらしい。
しかし、よーく見てみると、生きた子供達をモデルに使っているのにかかわらず、彼女の写真はとても無機質。(子供達にまるで生命力が感じられず、オブジェ化している。)永遠の幼児性を内包した人形を具現化したかのような写真群は、歳を取り決して子供へは戻れない大人達が持つ、子供時代への憧憬を観賞者の脳裏に残酷なまでに刻みつける。やわらかで、純真無垢な色彩の中に、メランコリー(憂鬱)とノスタルジア(郷愁)が、ないまぜとなって潜んでいるのだ。
ロレッタ・ラックスの写真は凶暴なまでにロマンティックなのだと僕は思う。 

ロレッタ・ラックスのHP(英語です。)↓
http://www.lorettalux.de/

★ロレッタ・ラックスの写真が東京国立近代美術館で10月25日から開催される、『ドイツ写真の現在』展で見れます!↓
http://www.momat.go.jp/Honkan/
German_Contemporary_Photography/
index.html

 
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ゲルハルト・リヒター

GERHARD RICHTER  ゲルハルト・リヒター (DVD付)
GERHARD RICHTER ゲルハルト・リヒター (DVD付)
↑現在、金沢21世紀美術館で開催されている、
『ゲルハルト・リヒター:鏡の絵画展』の公式図録。
なっ、なんとリヒターが絵画論を語るDVD付き!

マシュー・バーニー『拘束のドローイング展』に続き、
『ゲルハルト・リヒター:鏡の絵画展』とは金沢21世紀美術館、熱い展覧会が続きますねえ!
(『ゲルハルト・リヒター:鏡の絵画展』は2005年11月3日から川村記念美術館にも巡回。)
ちなみにゲルハルト・リヒターはドイツ人画家。巷じゃ現代絵画の巨匠と言われているスゴイ絵描きです。1932年ドレスデン生まれの73才とけっこうなお年でありますが、様々な書籍に載る彼のお姿は実にダンディー!雑誌『LEON』で特集されるチョイワル親父(はやく死語にっ…!)も真っ青。僕も、こんなスゴイ絵を描く渋さ満開のじじいになりてえっす!よろしくっす!と日々憧れている人物であります。
数多あるリヒター作品のなかで僕が好きなシリーズは、様々な写真(素人の撮影した写真、新聞の隅にあり取るに足りない写真、自らが撮った写真など。)をもとに、筆の筆致を極限にまで抑え込みながら、画布にリアルに描き込むフォト・ペインティングの手法をとったシリーズ。このピンぼけ写真のような絵をじっと見ていると絵と写真の境界線がわからなくなり、なんともいえない気持ちになります。絵と写真の間にある境界が淡くぼかされ、なんとも夢うつつな気分になるのです。写真をそのまま写真のように描くのなら、写真のままでもいいんじゃないの?と思う方もいると思うんですが、リヒターの描く作品をじっと見ていると、写真とは違った何かを感じるのです。写真とはまた別の絵の持つ力。いうなればリヒターの筆先に込められた力です。
彼の絵筆というフィルターをとおして、写真が絵画へと変換され、リヒターの考えや、彼の歩んできた歴史がカンバスから言葉ではなく、写真としてでもなく、”絵”として立ち上がってくるのです。これがなんとも素晴らしい!リヒターはアブストラクト(抽象)ペインティングの大作(塗った絵の具をヘラでこそげとったりしてマチエール(材質感)をだしている作品。)や、カラー・チャートペインティング(色見本のように様々な色の矩形をグリッドにそってラッカーでカンバスに塗った作品。)などなど様々な絵画実験をおこなっているのですが、僕は断然写真から絵におこすフォト・ペインティングシリーズが好み!
しかし、リヒター展開催場所が石川県に千葉県とは…。
金沢へはマシュー・バーニー『拘束のドローイング展』を見に行ったばかりだし、千葉県も関西からじゃ遠いし…。まあ、川村記念美術館では来年の1月まで開催されているし、機会があればなんとかリヒターのフォト・ペインティングシリーズを拝みに行きたいもんです。 
 
★ゲルハルト・リヒター写真論/絵画論↓
ゲルハルト・リヒター写真論/絵画論
ゲルハルト・リヒター, 清水 穣

★ゲルハルト・リヒター:鏡の絵画展公式HP↓
http://www.kanazawa21.jp/richter/ 

★『ゲルハルト・リヒター:鏡の絵画展』
□ 金沢21世紀美術館
http://www.kanazawa21.jp/ 
■会期 2005年9月3日(土)〜 2005年10月26日(水)
休館日:毎週月曜日、2005年9月20日(火),10月11日(火)
 *ただし、9月19日(月・祝)、10月10日(月・祝)は開館
■開館時間 10時〜18時(金・土曜日は20時まで/チケットの販売は閉館30分前まで)
■観覧料金
・当日:一般=1,000円 大学生=800円 小中高生=400円 65歳以上=800円
 
□川村記念美術館
http://www.dic.co.jp/museum/
■会期2005年11月3日(木・祝) 〜 2006年1月22日(日) 
休館日: 毎週月曜日
■観覧料金
・当日: 一般=1,300円 大高生および70歳以上=1,000円 中小生=400円
 

   
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ベクシンスキー

ベクシンスキー
ベクシンスキー
ズジスワフ・ベクシンスキー, 永瀬 唯

彼女がベクシンスキーの画集を買ったので見せてもらう。
ベクシンスキーはポーランドの画家で、隠者同様の生活をし、2005年2月に自分の住んでたとこの使用人の息子に数十ケ所もナイフで刺されて殺されちゃった人物である。ちなみにベクシンスキーの息子は鬱病で自殺、ベクシンスキーと彼を取り巻く環境、血縁関係は彼の描く絵同様実に暗い。
三浦 建太郎氏の描く漫画『ベルセルク』、ピーター・ジャクソン監督の『ロード・オブ・ザ・リング』のセットなどはベクシンスキーの絵の影響を少なからず受けているような気がしないでもない。
正直、俺はベクシンスキーの描く世界が怖くてよう買わんかった。
手元に置いとくと夢にでて来そうで怖すぎ・・・。
彼女よ、あんたは実にかわりものだよっ・・・!
しかし、一度見るとなかなか目を逸らす事のできない、ベクシンスキーの絵の力はすさまじい。彼の絵には、見てはいけないものを見てしまった時の、忌避感と、実はそれを無意識の内では激しく欲っしている時に感じる、恍惚的な魅力がある。
けっして開いてはいけないといわれた扉を開く時のような・・・。
(まあそんな状況は小説や漫画の物語の世界の中の出来事で、実際はほとんどないことだが・・・。)
子供の頃、食べてはいけないと母親に言われていた棚の上のお菓子を、母親のいない時にこっそり食べたときに感じたスリルのような・・・。 
ベクシンスキーの絵をじっと見ていると人間の本性を試されているような気が僕はなぜか無性にしてしまう。

★ベクシンスキーのHP↓
http://www.beksinski.pl/
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マシュー・バーニー in 美術手帖

美術手帖 08月号 [雑誌]
美術手帖 08月号

美術手帖8月号はマシュー・バーニー特集ですねえ。
今号のSWITCHもマシュー・バーニー特集。
まさにマシューづくし!バーニーの盛り合わせ!
これだけ特集組まれると、金沢21世紀美術館の『拘束のドローイング』展どうしても行きたくなってきた。行かなければいけないような気がしてきた・・・。
ひい〜っ、なんか雑誌メディアに洗脳されちゃってるよ俺・・・。

・・・メディアの影響力ってほんとスゴイし、コワイっす・・・。
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マシュー・バーニー

THE CREMASTER CYCLE
THE CREMASTER CYCLE
Matthew Barney, Nancy Spector

★人の意識が遠のいてゆく瞬間、人が眠りに落ちる瞬間ってのはおもしろいなあと、僕の目の前の人がうつらうつらと眠りに落ちる瞬間を電車の中で見ながら思った。なんて無防備なんだろうか。それが人間の強さかもしれないし、弱さなのかもしれない。


★今月号のSTUDIO VOICE 8月号の特集は現代美術アーティストのマシュー・バーニーですね!わたくし、この人の作品が大好きでありまして・・・。

 マシュー・バーニーはイエール大学で医学、美術、体育を学び、フット・ボールの特待生になったり、ファッション・モデルなんかを経験し、現代美術に目覚めちゃったっていう変わったお方。『クレマスター』なる映像シリーズ(1〜5まである。)が世界的に有名で、去年日本でも上映されてました。大阪では5月18日に大阪市立旭区民大ホールでやってました。午前11時にはじまり終了が20時という、なんと9時間に及ぶロング上映。クレマスター1〜5、全作が上映されたわけです。
ちなみにこの人、歌姫ビョーク嬢のパートナーでもあられます。(確か子供も生まれてたハズ。しかし、どんな子供なんやろねえ?二人の天才(変人?)の子供ということで将来スンゴイ変な大人になるのはもう確約済みですな・・・。)
で、『クレマスター』!このシリ−ズがすんごい!
ハリウッド並の巨大なバジェットをかけて豪華絢爛、彼独特の美学にそった映像叙事詩を創りあげているのです。まさに唯一無ニ!常識人には理解不能な奇妙なイメージの大量噴出!綺麗でもあり、醜くもあり、ほんと映像がぶっとんじゃってて、たまらなく良いのです。
(ちなみにクレマスターというのは、睾丸の上下運動を行う筋肉のこと。この名前付けのセンスからしてヘンでしょ。)
最近になって、なぜ、マシュー・バーニーが雑誌(聞くところによるとSWITCHにも特集が組まれているとか・・・)でクローズアップされているかというと、彼の展覧会『拘束のドローイング』展が金沢21世紀美術館で7月2日から8月25日まで開催されているからなんですねえ。なんでも、世界で初めて発表される新作『拘束のドローイング9』(映像とインスタレーションで構成されているらしい。)が展示されているらしいです。(これ、ビョークも参加しているとか・・・。)
金沢21世紀美術館といえば、僕も今年の2月に行ったばかり・・・。
(過去の日記(2月18日の回。)にも金沢21世紀美術館のことちょこっと書いとります。) ↓
http://hccweb1.bai.ne.jp/akirart/diarypage/
diary/diary050203-.html


『拘束のドローイング』展、8月25日までか・・・。
行きてえなあ・・・!
金沢21世紀美術館『拘束のドローイング』展、奇妙キテレツな世界に浸りたい人は、ぜひ覗いてみてはいかがでしょうか?

☆2005年8月8日、追記。
『拘束のドローイング』展の感想をUPしました。記事はコチラ↓
http://akirart.blog.bai.ne.jp/?eid=13147


■クレマスター・シリーズのサイト(かっこええ!)↓
http://www.cremaster.net/


■金沢21世紀美術館↓
http://www.kanazawa21.jp/


■STUDIO VOICE 8月号↓
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原寸美術館 画家の手もとに迫る

原寸美術館 画家の手もとに迫る
原寸美術館 画家の手もとに迫る
結城 昌子

いい本だ。
ボッティチェリ、ダ・ヴィンチ、ターナー、マネ、モネ、ゴッホ、ゴーギャン、ワイエスなど様々な天才画家の筆致が原寸大で迫ってくる。作品をページ内におさめるために縮小している従来の画集とは違い、作品部分を実際の大きさでページいっぱいに掲載しているのがこの本のみそ。他の画集に比べて絵の持つ力が格段によく伝わってくる。画家それぞれの筆致の違いが実によくわかるのにはシビレた。まるで画家がカンバスに対峙している、その真後ろから見ているような感動を味わえる。
この本のようなシリーズもっとだしてほしいなあ。 
何度見てもあきのこないほんと良い本。 
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マルセル・デュシャン

『マルセル・デュシャンと20世紀美術展』が大阪中之島に完成した国立国際美術館の開館(万博記念公園内から移転。)を記念して11月3日から開かれる。
マルセル・デュシャン・・・僕の大好きな芸術家の一人である。現代美術の創始者なんてよくいわれてる人物である。が僕にとってはそんなことはどうでもいい。それよりもデュシャンの生き方が僕は好きだ。ノルマンディーの公証人の息子として生まれ、画家ジャック・ヴィヨンと彫刻家レイモン・デュシャン・ヴィヨンという二人の兄をもつ男。芸術に理解の深い父の援助によって暮らしを立てていた時期もあり、生活のために働くということがほとんどなかった男。(まあ、ようするに芸術家でなければただのダメ男。)芸術に飽きたのか40歳代あたりから、絵筆をおき、チェス・ゲームの研究に没頭していた男。(チェスの腕前はプロ級だったらしい。)が今度はチェスにも飽き始め、周囲には沈黙を押し通し、何も制作をしてないかのような振る舞いをしつつも、実は『(1)落ちる水 (2)照明用ガス、が与えられたとせよ』という名の遺作を20年かけてひっそりと制作していた男。81歳で死去したデュシャンの墓碑銘は、「されど、死ぬのはいつも他人」。彼の墓碑名のように、彼の残した作品もすべて世の中を笑う冗談みたいなものばかり。デュシャンの代表的な作品「泉」は既製品の便器を逆さにして便器の端にR・ムットという架空の人物の署名を入れたもの。(この便器のような、すでに社会に存在する既製品を芸術品と見立て作品にすることを、デュシャンはレディ・メイドと命名した。)この作品をデュシャンがとある展覧会に出品したことにより、芸術界、及び社会は今までの芸術の崇高なイメージ、因習を覆し、新たな芸術の価値、可能性を見い出した。なんて評論家などから大袈裟に言われたりしているが、僕はデュシャンはそこまで深く考えていなかったのではないかと思う。美術館に便器。どう考えても冗談だろう。なんとも笑える話だ。そして、その冗談をまんまとやってのけたデュシャンのパワーと頭脳。実にパンクだ。ありえないことがおもしろいと思える皮肉めいた感覚が、デュシャンのもっとも尊敬に値するところだと僕は思う。なんかかっこよすぎるんだよなあ・・・。晩年にはアメリカ国籍をとったものの生まれはやはり、アンニュイなおフランス人だ。人を小馬鹿にするセンスがほんと図抜けている。なんてったって、彼が死んで40年近くたった今もこうして彼の冗談が美術館に飾られ、いろんな評論家に価値を見い出され、展覧会として開かれ、小難しい芸術として語られているのだから。死んでなおデュシャンはどこかでほくそ笑えんでいることだろう。そして、そのことがなんとも痛快なことだと僕は思う。11月3日からの『マルセル・デュシャンと20世紀美術展』じつに楽しみだ。 

☆2004年11月7日追記。『マルセル・デュシャンと20世紀美術展』の感想をUPしました。記事はコチラ↓
http://akirart.blog.bai.ne.jp/?eid=14035
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包まれたもの。閉じられたもの。クリストとカスバの男。

道路で信号機を古いものから新しいものへと取り替える作業を目撃した。
沿道には折り畳んで束ねられた幾つものでかい段ボールが、割合綺麗に置かれていた。そうか信号機って、でかい段ボール箱に入れられて運ばれているのかと、何か新しい事を発見したような驚き。
ある日、家にとんでもなくでかい段ボールの荷物が送られてきて、開けてみると、なんとそれは、生まれてから何万回と目にしている信号機の新品だった・・・。なんてことが何かの手違いでおこったとしたら、かなりおどろくやろなあ。と暑さに朦朧とした僕の頭は不可思議な妄想に絡め取られていく。でかい箱の中に信号機。不思議だ。どでかい箱のなかにメルセデスベンツ。なんてのも、過剰包装の日本ではあり得ない話では無いような気もする。なんでも梱包してしまうクリストというブルガリア生まれの芸術家がいるが、彼は美術館自体を強化ポリエチレンで覆い、ナイロンロープでそれを梱包した。巨大な建造物を梱包するという発想。なんともロックな発想ではないか。それを許す美術館側の責任者もすごい。1968年のプロジェクトだ。彼の発想はどんどん巨大化して、パリの橋ポン・ヌフまでも梱包。さらにフロリダ州にある島の周囲をピンクのポリプロプレンの布で覆うといった離れ業までやってのけた。まさに究極の梱包フェチ野郎だ。
箱に物を詰めるという行為、物を梱包するという行為にひたすら憑かれたこの男にとって、信号機の入った箱などたいした大きさではないだろう。
しかし、クリストはどうしてそこまで梱包にこだわるのだろうか?
人はみな生まれる前に羊水に包まれていた。そういった、包まれているという原点回帰の本能が人一倍強いのだろうか?
クリストほどではないにしろ、僕も、梱包された物、箱に閉じ込められた物、またそういった美術作品が何故か好きだ。湾岸工場地帯にうずたかく積み上げられたコンテナを見ると、その壮観さとともに、いったい何があそこには入っているのかとわくわくする。どんな人も少なからず、包まれたものが好きなのではないかと僕は思う。箱に入れられたプレゼントなどそのさいたるものだろう。何が入っているか分からないというどきどき感は、包まれ閉じられているからこそ沸き起こる感情だ。
僕の好きなジョセフ・コーネルの箱にしても、その箱に閉じ込められたオブジェ達の魅力には、抗い難い不思議な魅力がある。これも羊水に包まれていた頃の僅かな記憶が呼び覚まされているからなのだろうか?
そういえば、僕自身も脳という思考する器官を肉体という箱に内包した存在だ。突き詰めて独断的に言ってしまえば、地球も宇宙という巨大な羊水に包まれているといっても過言ではないような気もする。人は自分が生まれるもっと以前の何かを、梱包されたもの、閉じられたもの、見えないものに感じとっているのかも知れない。クリストが提示する壮大な芸術作品は無意識下にその事実を人々に伝えているような気がする。

すべてのものは包まれている。

道端に転がる信号機段ボールの破片が、そのことを僕の脳裏にするどい暑さとともに焼きつけた。

Christo and Jeanne-Claude: On the Way to the Gates, Central Park, New York City
Christo and Jeanne-Claude: On the Way to the Gates, Central Park, New York City
 

今日は大竹伸朗著『カスバの男』を読了。
求龍堂から出版され、絶版となった『カスバの男 大竹伸朗 モロッコ日記』の文庫版。モロッコの熱に浮かされた、現実と夢がないまぜになった文章がすごくいい。僕の敬愛する作家ポール・ボウルズの住処であったモロッコ、タンジール。死ぬまでに一度は行ってみたいなあ。大竹伸朗さんは日本で一番ロックな芸術家だと思う。一度大阪のキリンプラザで大竹伸朗展をやっていたとき偶然見かけたことがありますが、眼光するどくびびったことを覚えています。

カスバの男―モロッコ旅日記
カスバの男―モロッコ旅日記

 
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