前回紹介した、ケイティー・タンストールの『サドゥンリー・アイ・シー』は、パティ・スミスのアルバム『ホーセス』のジャケットに写る、パティ・スミスの姿にインスパイアされて作った曲でした。
(ちなみに、この『ホーセス』のジャケット写真は、エイズにより惜しくもこの世を去った天才写真家ロバート・メイプルソープが撮った写真であります。
ロバート・メイプルソープの人生を辿った本↓
メイプルソープ
パトリシア モリズロー, Patricia Morrisroe, 田中 樹里
でメイプルソープとパティ・スミスとの出会、恋人時代、そしてその後の二人が興味深く語られています。)
今回もパティ・スミスつながりという事で、鈴木祥子の最新アルバム『鈴木祥子』↓について。
鈴木祥子
鈴木・祥子
鈴木祥子さんは、奥田民生と共作したり、PUFFYに楽曲提供したり、バート・バカラックの曲、岡村靖幸ちゃんの名曲『イケナイコトカイ』をカヴァーしたりしてる実力派女性アーティストです。10数年前に放送されていた、小泉今日子&緒形直人主演のドラマ『愛するということ』の主題歌、小泉今日子の歌う『優しい雨』を作曲したのも鈴木祥子さんです。しかし、このドラマ、緒形直人の小泉今日子への強引な愛情表現が、とんでもなかったのをなんとなく覚えてます…。もうストーカーのはしりのようなドラマでしたね、これは…。懐かしいなあ…。
話がそれちゃいましたね…。元に戻します、
この5年ぶりとなる最新アルバムにはパティ・スミスの名曲『フレデリック』のカヴァーが収録されています。
僕は高校生の時から、鈴木祥子さんの曲を聞いてきているので、パティ・スミスの曲をカヴァーするってのが、妙に納得できてしまいます。彼女は男には持ち得ない女性の温度で、歌を歌います。巷で流行っているような表面的な愛の歌を歌わず、愛の淵を抉るように息苦しい言葉を紡いで曲にします。
僕は、彼女の歌に、いつも微熱のような温度を感じます。体はだるいのに、どこかフワフワと宙を彷徨っている感じ。熱に浮かされたままの頭に浮かぶとりとめのない言葉の数々。それらは熱から覚めれば、すぐに忘れてしまうようようなものたちですが、そんなふうに自分が無防備であったときに浮かぶ言葉の切れ端が、実は普段、自分が考える事よりも、正直なことであったり、大切なことであったりすると僕は思います。鈴木祥子さんの歌は、そういった彼女自身の醜いところも含めた正直な部分を言葉にし、メロディーにのせ歌っているように思います。
それがパティ・スミスのもつ強さと、何処か似ているような気がするのです。
『ラジオのように』のセルフカヴァー含む全11曲、最新アルバム『鈴木祥子』は実に聞き応えのあるアルバムです!
(個人的にはファンである『カーネーション』の直枝政広氏がギター、コーラスで参加しているってのもポイント高し!
好みは9曲目の『LOVE/IDENTIFIED』!)
☆鈴木祥子のサイト↓
http://syokosuzuki.sakura.ne.jp/
☆ちなみにパティ・スミスの『フレデリック』が収録されているアルバムはコレ↓
ウェイヴ
パティ・スミス・グループ
☆カーネーションのベストアルバム↓
CARNATION 20th ANNIVERSARY BEST ALBUM CARNATION IS THE GREAT R&R BAND!-C-SIDE OF CARNATION-
カーネーション