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ミラーマスク

ミラーマスク デラックス・コレクターズ・エディション
ミラーマスク デラックス・コレクターズ・エディション

イラストレーター&コミック作家であるデイブ・マッキーンが監督、SF作家&コミック作家のニール・ゲイマンが脚本と、二人のイマジネーションが結実したダークファンタジー映画『ミラーマスク』のDVDが発売されていたので買いました。
この映画、日本では今のところ、劇場未公開作品であります。
(大阪ヨーロッパ映画祭でのみ上映されてました。
ここで予告編が見れます。→http://www.oeff.jp/database/432_Mirrormask.html

ほぼ全編にわたりCGってことで、テレビゲームっぽく見えてしまうところもある作品ではありますが、デイブ・マッキーンの構築したダークでありながら、どことなく温かみのある世界観はたまらんものがあります。個人的には最初のサーカスのシーンが好きですね。仮面の楽団が奏でる音楽と仄暗いサーカス会場、赤いライティング。サーカスの懐かしいような、楽しいような、寂しいような、すぐそこにあるのに、手に届かない、奇妙でもどかしい感じ…何とも言えないノスタルジックな雰囲気!が絶妙に表現されていました。あとは、主人公の少女が迷い込んだ不思議の国の図書館で、たくさんの本がバタバタ羽ばたくシーンもいい。ストーリーは思春期の少女が不思議の国に迷い込んだ事で、徐々に成長していくというファンタジー。異界に迷い込んだ少女の成長物語ってとこが、どことなく『千と千尋の神隠し』と似ている感がありますが、これは脚本のニール・ゲイマンが『千と千尋の神隠し』の英語版吹替脚本を担当したことと、多少関係しているのかなあ?と思ったりもします。
使い古された感のある話ではありますが、なんともいえないアーティスティックな映像が、それを補ってあまりある映画になっていると思います。
(映像的にはどことなく幻想画家ジェラール・ディマジオ→http://www.di-maccio.com/の絵に近いものも感じました。)

☆DVDには下の画像を含む8枚のポストカードが付いてます。




☆デイブ・マッキーンのサイト↓
(彼の素晴らしいグラフィック作品がたくさんみれます!)
http://www.mckean-art.co.uk/

☆ニール・ゲイマンのサイト↓
http://www.neilgaiman.com/

☆デイブ・マッキーン&ニール・ゲイマン共作の絵本↓
The Wolves in the Walls (New York Times Best Illustrated Books (Awards))
The Wolves in the Walls (New York Times Best Illustrated Books (Awards))
Neil Gaiman, Dave McKean
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キンキーブーツが見たい。

映画館の予告で見ておもしろそうだった『キンキーブーツ』が東京で8月26日から公開されます。(大阪では9月2日から。)

父親の突然の死により、倒産寸前の靴工場を継ぐ事になった優柔不断な主人公チャーリー。工場を再起させるために頭を悩ませていたところ、偶然ドラッグクイーンのローラに出会う。小さな女性用の靴を無理矢理はいている彼女(男ですが…)を見たチャーリーは、伝統的な紳士靴の製造をやめ、なんとドラッグクイーン用のセクシーなブーツを新商品として開発することを決意する…ってお話。
ちなみにこれ、ノーサンプトンに実在する靴工場の実話らしいです。
イギリスから『フル・モンティ』に続く、ちょい泣かせコメディの登場!ってことで僕はかなり期待しております。

☆キンキーブーツの公式サイト↓
http://www.movies.co.jp/kinkyboots/

☆ドラッグクイーンのローラが歌う歌をアレンジしているのは、
ガイ・チェンバース。彼は…
ロビー・ウィリアムス↓や

グレイテスト・ヒッツ
グレイテスト・ヒッツ

ジェイミー・カラム↓

キャッチング・テイルズ(3ヶ月or5万枚限定特別価格)
キャッチング・テイルズ(3ヶ月or5万枚限定特別価格)
 
と仕事してる音楽家です。ってことでサントラもかなり期待出来そう!↓

キンキー・ブーツ・オリジナルサウンドトラック
キンキー・ブーツ・オリジナルサウンドトラック

フル・モンティ
フル・モンティ
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サイレントヒル



☆サイレント・ヒル公式サイト↓
http://www.silenthill.jp/main.html

サイレントヒル プレミアム・エディション
サイレントヒル プレミアム・エディション

『ロ−ズ・イン・タイドランド』のジュルジュ・フェルランドが出演。そしてプロダクション・デザイナーにわたくし大リスペクト!のキャロル・スピアー(彼女はクローネンバーグ作品『ヒストリー・オブ・バイオレンス』『イグジステンズ』『エム・バタフライ』『デッドゾーン』などの美術、他には『ブレイド2』の美術なんかも担当。ダークな世界観を構築させたら天下一品の才媛です。かなりのおばちゃんですが…)が起用されている!ことを知り、こりゃ観とかなイカン!とストーリーは期待せず、架空の街『サイレントヒル』の不気味な世界観をどれだけ表現出来ているかを楽しみに観てきました。
いや〜!
映像ビジュアル…
ヤバイっす!
クリーチャー・デザイン担当のパトリック・タトポロス(アメリカ版『ゴジラ』のゴジラデザインをやった人。)のクリーチャ−の造形もイイなぁ! 
もう、気持ち悪いのなんの。動きが滑稽なのなんの!
ストーリーそっちのけで、クリーチャーとセットに見入ってしまいました。


劇中には、現在にある現実のサイレントヒル、霧に包まれ雪のような灰が降りしきるサイレントヒル、30年前のサイレントヒル、そして暗黒のサイレントヒルと四つのサイレントヒルが出てくるのですが、とにかく、これらのサイレントヒルのセットの緻密さ&廃墟っぷりが素晴らしい。廃墟好きにはたまらん映像のオンパレ−ド。特にサイレンが鳴り響き、霧のサイレントヒルが暗黒のサイレントヒルへと変化する瞬間、古ぼけたサイレントヒルの町並を赤茶けた錆が覆ってゆくシーンのCGの出来が素晴らしい!このシーンを見れただけで『サイレントヒル』を見た価値があったってもんです。
映像のこだわり方は、デミアン・ハーストなど現代美術作家のビジュアル・イメージをこれでもかっ!!とパクりまくったターセム監督の『ザ・セル』↓

ザ・セル デラックス版〈特別プレミアム版〉
ザ・セル デラックス版〈特別プレミアム版〉

の映像美に近いセンス。
ネオ・ゴシックな雰囲気が非常に良し!でありました。
ジョエル・ピーター・ウィトキンの作品↓ 

http://www.art-forum.org/z_Witkin/gallery.htm

やスワヴォミル・ルミャックの作品↓


の恥美的なイメージにも多少影響受けたりしてんのかなあ。と思ったりもしました。
期待していなかったストーリーも、斬新さはないものの思っていたよりも良く出来ていて、監督のクリストフ・ガンズ(『ジェヴォーダンの獣』の監督ですね。)の演出もなかなかうまかったです。
日本のゲームを映画化した作品にはトンデモ映画が多い中、(例えば…ジャン・クロード・ヴァン・ダム主演の『ストリート・ファイター』に、クッパ役にデニス・ホッパーを起用するちゅう、金満ロッカーっぷりを見事発揮した『スーパーマリオ』など…。)『サイレントヒル』は丁寧に創り込んでいて好感がもてました。兎に角、セットの凝り方が半端ない映画でありました。

ジェヴォーダンの獣 ― スタンダード・エディション
ジェヴォーダンの獣 ― スタンダード・エディション
 

 
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ミシェル・ゴンドリー 『The Science of Sleep』


『エターナル・サンシャイン』のミシェル・ゴンドリー監督最新作『The Science of Sleep』の公開が楽しみです。
フランスでは8月に公開、アメリカでは9月公開予定ってことで、日本では年内にも公開してほしいところです…。
主演に『モーターサイクル・ダイアリーズ』&『バッド・エデュケーション』のガエル・ガルシア・ベルナル。んでもってその相手役にセルジュ・ゲンスブールの娘っこシャルロット・ゲンズブール。
予告編見ましたが、これぞミシェル・ゴンドリーの映像!って感じでかなり楽しみ!

☆予告編↓
(ザ・ストロークスの『フィアー・オブ・スリープ』が予告の真ん中あたりで流れていてました。相変わらず選曲センスもGood!)
http://www.apple.com/trailers/
warner_independent_pictures/thescienceofsleep/


☆英語版公式サイト↓
(ゴンドリー作品を彷彿とさせるかわいらしく凝った作り!)
http://wip.warnerbros.com/scienceofsleep/

☆『フィアー・オブ・スリープ』が収録されているザ・ストロークスの3rdアルバム↓
ファースト・インプレッションズ・オブ・アース
ファースト・インプレッションズ・オブ・アース

☆ガエル・ガルシア・ベルナルが若き日のチェ・ゲバラを演じる傑作ロードムービー。↓
モーターサイクル・ダイアリーズ コレクターズ・エディション
モーターサイクル・ダイアリーズ コレクターズ・エディション


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スパイダーマン3予告編 ユージュアル・サスペクツ

映画『スパイダーマン3』の予告編がついに解禁されてました!
(英語です。) ↓
http://www.apple.com/trailers/sony_pictures/spider-man_3/large.html

日本公開は2007年5月予定らしいです。相変わらずヒロイン、キルスティン・ダンストは、庶民的な雰囲気を醸し出しまくりですね…。(まあ、それがイイっていっちゃあ、いいんですけど…。)
女優としては、もう少し神秘的な雰囲気も欲しいもんです。
神秘的といえば、『スーパーマン リターンズ』(2006年8月公開)のヒロイン、ケイト・ボスワースに分がありますね。彼女の目は左右で色が違うオッドアイです。(彼女の場合は右目がブラウン、左目がライトブルー。)↓

う〜ん!実に神秘的!!

☆『スーパーマン リターンズ』公式サイト↓
http://wwws.warnerbros.co.jp/supermanreturns/

『スーパーマン リターンズ』の監督はブライアン・シンガー。最近では『X−MEN』、『X-MEN2』とアメコミ、アクション大作ばかりを手掛けてますが、なんといっても、ブライアン・シンガー監督の傑作作品は『ユージュアル・サスペクツ』でしょう!
うれしいことに、廃盤になっていた『ユージュアル・サスペクツ』のDVDが2006年9月8日、1500円で再販されます。↓

ユージュアル・サスペクツ
ユージュアル・サスペクツ

学生の頃に劇場で見て以来の、あの緊迫感をまた味わえるとは絶対買いです!
(ちなみに、この作品でアカデミー賞助演男優賞を受賞し、その後いっきにブレイクしたケヴィン・スペイシーは『スーパーマン リターンズ』にも出演しとります。)


↑わたくし所蔵の『ユージュアル・サスペクツ』のパンフレット。
周囲に謎をもらさないようにと右の封筒に入って売ってました。
なかなかおもしろい売り方するなあ!と当時思ったのを覚えてます。 

カイザーソゼ〜っ!
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ローズ・イン・タイドランド



子供の頃は夜が怖くて、障子に揺れる読書灯の影が、奇妙に蠢いて見え、そこにお化けか何かがいるんじゃないか?と感じていた。夜の裏側にはあきらかに僕の知らない何者かがいた。そんな不気味な何かと戦うために、小さな兵隊の人形や、プラモデルの戦車を仲間に引き連れ、僕は何者かに立ち向かおうとした。けれどいつも、その何者かは決して正体を表す事なく、薄暗い部屋を照らす淡い光の影に隠れ、気がつけば僕はいつのまにか朝を迎えているのだ。
友達とか、兄貴とか父親とか、母親とか、だれにも相談しなかったけど、でも確かに子供の頃、夜の裏側には何かがいたのだ…。
大人になって夜が怖くなくなると、暗闇の中にいたはずの何者かは、僕の前から姿をみせなくなった。きっと、幼いころ心の中に見えた何者かは、子供だけに見える幻想世界の住人だったのだろう。
そんな幻想世界の住人に大人になってから出会えるとは思いもしない事だったけれど、映画『ローズ・イン・タイドランド』の中には確かに彼等がいた。少女、ジェライザ・ローズ(ジョルジュ・フェルランド)の無邪気であるが故の残酷な幻想のなかに。
この『ローズ・イン・タイドランド』は明らかに万人受けしない映画(ローズの父親と母親が、ヤク中でトリップしまくってる映像を見て楽しめる人はごく少数だろう…。)であるけれど、空想&妄想癖のある人間にはたまらない映画ではないだろうか。
テリー・ギリアム監督の撮り上げた、甘美で毒っけを含んだ白昼夢のような映像の素晴らしさもさることながら、兎に角、ジョルジュ・フェルランドの演技に終止圧倒される。("シャークハンター”ディキンズ役、ブレンダン・フレッチャーの怪演も見逃せないが。)
撮影当時10歳の若さなのに、時折見せる大人の表情と、あどけない子供の表情を使い分ける巧みさ!とくに、無邪気さが残酷な現実を引き起こすラストでのジョルジュの表情は少女が大人へと、成長してゆくさまをまざまざと刻み付けていて、ほんととんでもない表現力!
こりゃ、ダコタ・ファニングちゃんも、うかうかしてられんな…。と驚嘆せずにはいられなかった。
僕にはこのラストシーンでの出来事は、ローズが空想世界から現実世界へと引き戻され、大人へと成長するためのイニシエーション(通過儀礼)のように思えた。(ただ、ジョルジュの表情には大人へと向かいつつも、何処か少女のままのあどけなさも幾分、垣間見せており、時に残酷で社会と相通じる事のない子供の想像力をひきずったまま、成長してゆく可能性も示唆されていたようにも捉えられる。)
前作『ブラザーズ・グリム』と違い、ギリアム監督が創りたいように撮り上げたことが映像からバシバシ伝わってくる『ローズ・イン・タイドランド』。最初から明らかに興行収入、ヒットを無視しての制作姿勢が、テリー・ギリアム監督の残酷で時に哀しみと皮肉が入り交じった子供のような想像力が、まだまだ枯渇していないことを示した傑作であった。


空想こそが現実で真実
いびつな世界を孤独な少女の空想が凌駕する。

☆幼くして映画業界に入り、成功を収めちゃった人ってのは、アル中&ヤク中になることが多い。ドリュー・バリモア(ETの子役。9歳で酒と麻薬に溺れる…。)しかり、マコーレー・カルキンしかり…。はたして、ジョルジュ・フェルランド嬢はどうなることやら…。ちょっと心配。しかし、ドリュー・バリモアは『チャーリーズ・エンジェル』などヒット作出演で見事な復活を遂げてますし、ジョルジュ・フェルランド嬢も山あり谷ありの人生を歩む可能性は高いような…!?

☆『ローズ・イン・タイドランド』の牧歌的で、どことなく郷愁を帯びたアメリカの片田舎を表現した世界観は画家アンドリュー・ワイエスの『クリスティーナの世界』を参考に造り上げていったらしい。↓
 

☆『ローズ・イン・タイドランド』日本語版公式サイト↓
http://www.rosein.jp/

☆『ローズ・イン・タイドランド』の原作本。↓
(原作者ミッチ・カリンがテリー・ギリアムの大ファンで、彼にこの小説を送ったことから映画化につながった。)
タイドランド
タイドランド
ミッチ カリン, Mitch Cullin, 金原 瑞人

☆A.の『ブラザーズ・グリム』の感想、過去記事はコチラ↓
http://akirart.blog.bai.ne.jp/?eid=26508


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ステイ

オリジナル・サウンドトラック「ステイ」
オリジナル・サウンドトラック「ステイ」
サントラ

☆『ステイ』公式サイト↓
http://movies.foxjapan.com/stay/

『チョコレート』でハル・ベリーにアカデミー主演女優賞をもたらした、マーク・フォースター監督最新作『ステイ』。
主演にトレインスポッティング男、ユアン・マクレガー、『君に読む物語で全米を泣かせたライアン・ゴズリング、『21グラム』でアカデミー主演女優賞にノミネートされたナオミ・ワッツとなかなか豪華な面子。ボブ・ホスキンスが脇役として出演しているのもうれしいところ。(ボブ・ホスキンスの盲目の表現はスゴかった。CGか、偽レンズを使っているのかと思ってましたが、パンフレットによると、どうやらなにも使ってないらしいです。)
映画の中の現実世界に、もう一つの虚構世界が徐々に姿を現してきて、何が現実で何が現実でないのか?これは誰かの頭の中の妄想世界なのか?と世界観が根底から揺らいでゆく展開が実にスリリングでした。(フィリップ・K・ディックの短編小説『地図にない町』にも見られるようなパラレルワールド出現物語であります。)脚本を書いたのは、スパイク・リー監督作『25時』↓

25時 スペシャル・エディション
25時 スペシャル・エディション

の脚本を書いた、デイヴィッド・ベニオフ。(なんでも『ステイ』の脚本は150万ドル!!(一億ウン千万円…)の値で映画会社に買い取られたのだとか。)物語は、パズルのように錯綜して展開してゆくので、一回見ただけでは、細部まではなかなか読み解けない感じ。僕は何回も見たい衝動に駆られました。映像の凝り方もすごく、ユアン・マクレガーの姿が徐々にライアン・ゴズリングへと変化し場面転換するところなどモーフィング技術がうまく利用され、現実ともう一つの世界の境界の曖昧さを強調するのに効果をあげていて、デヴィッド・リンチ映画のような不条理さを醸し出していました。ただマーク・フォースター監督の演出は、不条理でありながらも、デヴィッド・リンチ監督のように、物やセット、シーン自体のバランスにこだわるのではなく人間の(俳優の)感情の部分に重きを置いているように感じました。ラストの儚さは、人間の感情を大事にするマーク・フォースター監督だからこそ、だせた演出だったと思います。

不確かな現実のなかで懸命に何かを伝えようとする意思。 
記憶と現実の曖昧さの中で伝える事の意味。
心に残る映画でした。 

☆重要なモチーフとして映画に出てくる、ブルックリン橋の一部を抽象的に様々な角度から、描いた連作12点の絵がとにかくカッコよかったです。ぼやけたブルーの色彩が非常に奇麗でした。 
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嫌われ松子の一生

遅ればせながら『嫌われ松子』の一生を見てきました。
監督はCMディレクタ−出身、『下妻物語』の中島哲也氏。
(サッポロ黒ラベルCM、豊川悦司VS山崎努による温泉での、超スローモーション劇画調卓球対決を撮った監督です。)
なんて言うか…
不運な松子に吸い寄せられるダメ男祭り!映画でありました。
冷静に考えると、とんでもなく暗いストーリーなのに、ミュージカルシ−ン、監督の緻密な演出によって、こんなに楽しく完成度の高いエンターテイメント映画に仕上がるとは…。(おまけに最後は泣かされます。)
中島監督の才能にただただ脱帽、映像&ストーリーともに圧倒されまくりの二時間でありました。
才能はあるのに売れない小説家の役を、超売れっ子脚本家である宮藤官九郎が演じていて、彼の才能に嫉妬する小説家、岡野役に小説『陰日向に咲く』を書き上げた劇団ひとり、スカパラの谷中敦が風俗店のマネージャー役、ボニ−・ピンクがソープ嬢役など、思わずニヤリとしてしまう配役の妙も素晴らしい。
見終わると不思議なことに松子や彼女の人生を通り過ぎていったダメ男達が、たまらなく愛おしく感じられます。だらしなく、かっこわるく、ときにあまりにも卑屈な部分をさらけ出す彼等の姿は、欲望、本能、人の性(サガ)といった、人間の本質の部分を鋭くついていて心を打ちます。
全編を通じて、どこか演歌フレーバーな、かほりが漂うのは、そういったことに起因しているのではないかと…。
(木村カエラが出演しつつもです!)
まさに日本人うけする、寂寥感満点娯楽映画でありました。 

しかし、谷原章介の白い歯が、いちいちキラリ!と光るのにはかなりウケたなあ!

☆映画『嫌われ松子の一生』のサイト↓
http://kiraware.goo.ne.jp/


嫌われ松子の一生 愛蔵版
嫌われ松子の一生 愛蔵版

嫌われ松子の歌たち
嫌われ松子の歌たち
サントラ, 木村カエラ, ch feat.B-BANDJ, BONNIE PINK, 及川リン, AI & 及川リン, Joe Himeji feat.J.
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ローズ・イン・タイドランド見たい!

テリー・ギリアム監督の最新作『ローズ・イン・タイドランド』がやっとこ7月8日から公開されます!
個人的には『ブラザーズ・グリム』が消化不良気味だっただけに非常に楽しみ!
ルイス・キャロルの「不思議の国のアリス」をテリー・ギリアム流に料理した作品。
脚本はテリー・ギリアムとトニー・グリゾーニの共同脚本。
トニー・グリゾーニといえば『ラスヴェガスをやっつけろ!』の脚本家。こりゃ、見るしかありません!



☆『ローズ・イン・タイドランド』日本語版公式サイト↓
http://www.rosein.jp/

☆ちなみにこちらは海外版(英語)の公式サイト↓
http://www.tidelandthemovie.com/ 
両方のサイトを見比べるとけっこう面白いです。
細かいところが海外版のほうが良くできている気が…。


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RENT

1996年、一人の男が大動脈瘤破裂によりこの世を去った。
その男の名前はジョナサン・ラーソン。
享年35歳。
彼こそがミュージカル『RENT』を創った生みの親だ。
今までにないミュージカルを自らで創りだしたいという夢を抱き、ラーソンはウェイターのアルバイトをしながら、6年の歳月をかけて『RENT』の作詞、作曲、脚本を創り上げた。
努力が実り、『RENT』はついにオフ・ブロードウェイでの公演が決定。上演開始からわずか、2ヶ月でオフ・ブロードウェイからブロードウェイへと進出。その年の、トニー賞4部門、ピューリッツアー賞、オビー賞特別賞などを受賞。大成功を収める。
しかし、ラーソンはその成功を知る事も見る事も出来なかった。
なぜなら、1996年『RENT』公演初日の前日に彼は帰らぬ人となってしまったから…。
まるで、たちの悪い冗談のような、へたくそな嘘のような、お涙ちょうだいの三文小説のような事実。
『RENT』に自らの夢を永遠に閉じ込めたままラーソンはいってしまった。
しかし、彼の夢の結晶『RENT』は、今なおブロードウェイで、世界中でロングランを続けている。
1996年、一人の男は惜しむらくもこの世を去ってしまったけれど、彼の夢は、きっとこのさきもずっと生き続けるはずだ。 

1996年のブロードウェイ初演時のオリジナルメンバーの多くも映画『RENT』には出演している。僕には彼らがジョナサン・ラーソンの夢みた夢の続きを演じているように思えてならなかった。それだからこそ、オープニングの、メンバーが歌う『Seasons of Love』のシーンには強く心を打たれた。
映画としての完成度としては?な部分があることも拭えないけれど、それを補ってあまりある、出演者のこの作品にかける情熱と、ジョナサン・ラーソンに対するつよい友情&愛を感じる事ができる。パワフルで熱い映画だった。


『Seasons Of Love』
525,600 minutes
525,000 moments so dear
525,600 minutes - how do you measure, measure a year?
In daylights, in sunsets, in midnights, in cups of coffee.
In inches, in miles, in laughter, in strife.
In 525,600 minutes - how do you measure a year in the life?
How about love? How about love? How about love?
Measure in love.
Seasons of love.

525,600 minutes! 525,000 journeys to plan.
525,600 minutes - how do you measure the life of a woman or man?
In truths that she learned, or in times that he cried.
In bridges he burned, or the way that she died.
It's time now to sing out,
though the story never ends let's celebrate remember a year in the life of friends.
Remember the love!
Remember the love!
You got to remember the love!
You know that love is a gift from up above
Share love,give love,spread love
Measure your life in love.
Seasons of love! Seasons of love.

525,600分。525,600分の貴重な瞬間
525,600分、一年をあなたは何で数える?
昼?
夕焼け?
深夜のコーヒーの数?
インチ?
マイル?
笑い?
喧嘩?
525,600分。あなたは人生の一年をどうやって計る?
愛ではどうだろう?
愛で計れるだろうか?
愛を数えてみよう、愛で時を刻み、愛の季節を作ろう
愛の季節が巡る

525,600分。525,000の旅がある
525600分。どう数えるの、男や女の人生を?
彼女の知った真実。
彼の涙。
彼の旅立ち。
彼女の死。

大声で歌おう、
物語は終わらない。友と過ごした一年を祝おう
愛を忘れてはいけない
愛は天からの贈り物
愛を分かち、愛を広めよう
愛で時を刻み、
愛の季節を作ろう
あなたの人生を愛で計ろう 

☆監督は『ハリー・ポッター』でおなじみ(つーか、僕の中では完全に『グーニーズ』の脚本担当!ってイメージのほうが強いんですが…。)のクリス・コロンバス。
『シン・シティ』で髪の毛ツンツンにおったてて女頭領ゲイルを怪演してた、ロザリオ・ドーソンがミミ役演じてたのが個人的見所でありました。
あとブロードウェイ初演時のキャストの多くが当然ながらのこと歳をとっている訳で…彼らが20代の若者を演じるってのが多少無理がある感じがなきにしもあらずで…なんともかんとも…。(だからこそ胸に響く訳なんですが…。)

☆RENT公式サイト↓ 
http://www.movies.co.jp/rent/

☆YouTubeにあった『Seasons Of Love』LIVE画像↓(みんなマジ歌うめえ!)
http://www.youtube.com/watch?v=CDI0xkqXYWo&search=rent


レント デラックス・コレクターズ・エディション
レント デラックス・コレクターズ・エディション

レント
レント
サントラ
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ブロークン・フラワーズ

ジム・ジャームッシュ監督最新作、
『ブロークン・フラワーズ』を見てきました。

☆『ブロークン・フラワーズ』公式サイト↓
http://www.brokenflowers.jp/

『元プレイボーイ、今は冴えない中年オヤジ、ドン・ジョンストン(ビル・マーレイ)はある日、差出人不明の手紙を受け取る。手紙は彼の元ガールフレンドからで、彼には19歳になる息子がいるという。元ガールフレンドと言っても誰なのか分からず、それに対して何をする気もなかったドンだが、隣人のウィンストン(ジェフリー・ライト)のおせっかいかつ、熱心な勧めにより、心当たりのある4人の差出人候補の女性を訪ねる旅にでる。果たして、まだ見ぬ息子の母親は誰なのか?』ってな中年オヤジのロードムービー。

やっぱ、ジム・ジャームッシュ作品は単館系の映画館(シネ・リーブルで見ました。)が似合いますな。この映画、でかい映画館でやったら絶対、観客怒って暴動が起きるぜっ!?ってくらい、ハリウッド系映画とは対極にある、ぬる〜い映画でした。テンポの悪さ、物語とさして関係なく流れる、エチオピア音楽のユルさ。観賞後に残るすっきりしたいのに、すっきり出来ない感じ…。まるで現実の人生のようです。
この映画、物事に白黒はっきり付けたいタイプの人には絶対受け入れられない映画だと思います…。
でも僕はけっこう、こういう映画好きです。
むかしの恋人たち(シャロン・ストーンにフランセス・コンロイに、ジェシカ・ラングにティルダ・スィントンと超豪華な面子!)を訪ね、会話したり食事したりの、場面場面での絶妙な”間”がなんとも言えずよく、また、ビル・マーレイの『ライフ・アクアティック』でのズィスー役同様の脱力系演技がとにかく最高でした。フレッドペリーのジャージが、あれだけ似合わないようで、似合ってる人もいないのでは!!


↑隣人のウィンストン(ジェフリー・ライト)のおせっかいっぶりがなんともかんとも…イイ味だしてました!

◎ちなみにジュリアン・シュナーベル監督の『バスキア』のバスキア役はむかしのジェフリー・ライト。『ブロークン・フラワーズ』ではかなり老けてて驚きました…。は…生え際が…。



映画「ブロークン・フラワーズ」オリジナル・サウンドトラック
映画「ブロークン・フラワーズ」オリジナル・サウンドトラック
↑エチオピア音楽に、マーヴィン・ゲイ。とスゴイ選曲でありますが、その選曲センスもジム・ジャームッシュの才能です。
このサントラはイケてます!!
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クラッシュ

昨日、上映最終日だったので遅ればせながら、
アカデミー作品賞受賞作『クラッシュ』を見てきました。

多民族、差別、銃社会、
人間の強さ、弱さ、
伝えることの、
感じることの、
不確かさ。
恐怖とユーモア。
絶望と希望。

複雑に入り交じった映画でした。

観賞後も言葉に出来ないズシンとしたおもみが心に残りました。
監督、脚本のポール・ハギスのするどい人間観察眼、人物造形には舌を巻きます。
(もとTVドラマの脚本家らしく、海外ドラマ(ERとかの雰囲気…)のようなエピソードの積み重ねという感が、なきにしもあらずでしたが…しかし、複数のエピソードを巧みに編集し取り込み、二時間の映画枠に収める手腕にはほれぼれしました。)
ドン・チートル、マット・ディロンらを筆頭に俳優陣の重厚な演技も素晴らしかったです。
善かれ悪しかれ、人間とは一人では生きていけない生き物だと痛切に考えさせられる映画でした。素晴らしい映画です。

☆『クラッシュ』公式サイト↓
http://www.crash-movie.jp/

crash オリジナル・サウンドトラック
crash オリジナル・サウンドトラック
サントラ, カンザスカリ, ビリー・アイドル, クリス・ピアース, シヴィリゼーション, ランディ・コールマン, アル・ベリー
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ヒストリー・オブ・バイオレンス

ヒストリー・オブ・バイオレンス
ヒストリー・オブ・バイオレンス

人によって好き嫌いが極端に分かれる(僕は大好きですが。)
デイヴィッド・クローネンバーグ監督の最新作、
『ヒストリー・オブ・バイオレンス』を見ました。
あらすじは…
『アメリカ、インディアナ州ミルブルックの小さな田舎町で、ダイナーを経営するトム・ストール(ヴィゴ・モーテンセン)と弁護士の妻エディ(マリア・ベロ)は、2人の子供たちと一緒に幸せで静かな生活を送っていた。だが、ある夜、トムのダイナーが二人組の強盗に襲われたことにより、静かな生活は霧散してしまう。強盗の一瞬の隙をついて銃を奪い取り、起死回生の正当防衛で、強盗を退治したトムは、一躍町のヒーローとなったのだが、数日後、そのニュースの影響でトムのダイナーに、威圧的な男たちが現れる。その一人、目がえぐれたフォガティ(エド・ハリス)は、昔の知人であるかのように、トムのことをジョーイと呼び親しげに話しかける。フォガティの訪れにより、トムの秘密の過去がぼんやりとその姿を現し初め、トムや家族に暗い影をおとしてゆく…。』ってな感じ。

最小限に抑えられた台詞、おさえた演出、冷めた暴力描写、全編を貫く静謐な緊張感が、かなりグッときました。西部劇のようなストーリー展開ながら、勧善懲悪ものの爽快な撃ち合い物語にしないのが、実にクローネンバーグ監督らしいです。低体温気味なアクション、カタルシスのない結末は、暴力の怖さと言うか、心地悪さをじりじりと心に刻み付けてきます。ところどころ、クローネンバーグ流のグロい演出はあるものの、今作品では、かなりおさえられていたように思いました。が、そのことにより、そのグロさがよけいに際立っていたような気も。 
トム(ヴィゴ・モーテンセン)の過去を暗喩しているかのような、オープニングシーン(二人の男が車でモーテルを離れるシーン。)のカメラワーク、台詞、演出は最高にクール!!の一言。DVDがでれば何度も見たいシーンの一つです。
『ロード・オブ・ザ・リング』のアラゴルン役でブレイクしたヴィゴ・モーテンセンの演技は、トムの二面性を的確に演じ分けていて、まじ怖かったっす。(しかし、クローネンバーグ監督、ジェームズ・ウッズしかり、クリストファー・ウォーケンしかり、ピーター・ウェラーしかり、トカゲ顔の俳優を起用するのがほんと好きですな。本人も、ハ虫類系の顔だけに親近感がわくのでしょうか…。)
トムの妻役のマリア・ペロも体をはったいい演技!(しかし、あのコスプレ姿はいかがなものかと…。新しいコントかと思いました。)
しかし、なんと言ってもフォガティ役のエド・ハリスの演技が最高でしょう!彼こそ、ちょいワル親父の最高峰といっても過言ではないハズ!『ポロック/二人だけのアトリエ』でのポロック役の演技は、切なくてシビレましたが、今回は、彼の周りにそこはかとなく漂う恐怖オーラにシビレました。威圧感バッチリの重厚演技。ウィリアム・ハートの演技も良かったですが、エドの滲み出る怖さにはかないません。

『ヒストリー・オブ・バイオレンス』の原作はこの漫画↓

ヒストリー・オブ・バイオレンス
ヒストリー・オブ・バイオレンス

原作漫画では、主人公トムの過去がかなりのページを割いて語られるのですが、映画ではトムの過去は、微妙に匂わす程度でほとんど語られません。これはジョシュ・オルソンの脚本によるものか、クローネンバーグ監督の演出によるものか、詳しい事はわかりませんが、過去を語らない事により、主人公であるトムが原作漫画よりもミステリアスな存在として浮かび上がっていたように思います。個人的には原作漫画よりも、映画版のほうが断然好み。映画はひたすら我が道をゆく変態クローネンバーグ監督テイストに溢れる逸品となっていました。
(ちなみにニューライン・シネマが映画化権をもつ浦沢直樹氏のコミック『モンスター』もジョシュ・オルソンが執筆中!どのような映画になるのか非常に楽しみです!)

☆ヒストリー・オブ・バイオレンス公式サイト↓
http://www.hov.jp/

☆アーティスティックな男、ヴィゴ・モーテンセンは絵を描いたり写真を撮ったりもしています。そんな彼の写真家としての写真集がコレ↓
Coincidence of Memory
Coincidence of Memory
Viggo Mortensen

☆ヒストリー・オブ・バイオレンスのサントラは『羊たちの沈黙』の音楽でおなじみ、ハワード・ショアが担当↓

ヒストリー・オブ・バイオレンス
ヒストリー・オブ・バイオレンス
 
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ラストデイズ



ガス・ヴァン・サント監督、最新作『ラストデイズ』を見ました。
1994年4月5日、この世を去った『ニルヴァーナ』のカート・コベイン。
猟銃自殺と言われてますが、本当に自殺なのか真意は定かではありません。婦人であったコートニー・ラヴが実は…。ってな噂もあったりします。
ガス・ヴァン・サント監督は、そのカートが死に至る2日間に焦点をあて、架空のロック・スター、ブレイクというカートの分身を作り上げ、彼が死へと向かう架空の物語をドキュメンタリータッチの手法で詩的に撮り上げます。
もう、この映画ヘコミ度120%…。
ブレイク役のマイケル・ピットの演技が、ダウナーなカートになりきっていて、見ていてスゲエ息苦しい。小声でぶつぶつと意味不明な事をしゃべるとこなんて、演技とは思えないほどの狂気を孕んでました。劇中、マイケル・ピットがアコギ一本で歌う『death to birth』(マイケル・ピット自身が作詞作曲。)は鬼気迫るものがありました。きっとこの映画同様、若くして巨大な成功を手にしてしまった本物のカートも、神経を擦りに擦り減らしたギリギリのとこで人生を綱渡りしてたんだろうな…。と思わせるほどの迫真の演技でありました。
鬱ってのは、まわりにウツルなんてことも言われたりしますが、ダウナーなこの映画、見ていて非常に疲れる映画でありました。『ニルヴァーナ』に興味がない人には、この映画さっぱりわけがわからん映画かと…。一人の頭に狂気を飼っている人間(しかも、その頭の中はけっして覗く事ができない。)が自殺するまでをたんたんと映像にして垂れ流している感じ。正直、『ニルヴァーナ』好きでもちょっとキツいところがあります。『ジェリー』『エレファント』に続き『ラストデイズ』という作品を撮った、ガス・ヴァン・サント監督。
あきらかにハリウッド映画と決別したように思えました。

☆ラストデイズのサイト↓ 
http://www.elephant-picture.jp/lastdays/

☆ガス・ヴァン・サント監督のインタビュー記事ページがありました。↓
http://www.theaterpark.jp/sp/usa/4.html

☆↓この本にカート・コベインの猟銃自殺に関する話が少し載ってます。
ダークサイド・オブ・ロック
ダークサイド・オブ・ロック
山崎 智之, 川嶋 未来, 平野 和祥
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アカデミー賞

アカデミー賞やってましたね。
作品賞が『クラッシュ』とは意外でした。
『ブロークバック・マウンテン』がとると思ってたんですが、やはり同性愛がテーマというのが、審査に微妙に絡んでいたんでしょうか…?実際のところはよくわかりませんが…。
まあ監督賞をアン・リーがとれたのは良かったと思いますね。
主演男優賞に『カポーティ』のフィリップ・シーモア・ホフマン。
予告で見る限り、確かにカポーティにそっくり。 
アカデミー賞の話題とそれますが、そっくりさん繋がりではジョン・マルコビッチ主演の映画『クリムト』(日本公開はまだ未定。)のTrailer(予告編)で見たニコライ・キンスキー演ずるエゴン・シーレが激似でびっくり!
クリムトに「私には才能がありますか?」とシーレが尋ねると、「君には才能がありすぎるほどだ。」ってなことを、言われたという逸話の残っている師弟関係な二人でありますが、彼らも少々、同性愛的愛情があったってことは真意は定かではありませんが、よく示唆されていることだったりしてまして、このへんは『ブロークバック・マウンテン』とちょいつながり。予告編を見るかぎり、シーレの表情をニコライ・キンスキーは巧みに演じている感じで(実際のシーレは少し斜視気味だったと言われていますが…。)ジョン・マルコビッチの演じるクリムト(こちらもけっこう似ている。)と物語上でどう絡んでくるのかが非常に楽しみ。
『クリムト』はやく日本で公開してほしいもんです。
☆映画『クリムト』のサイト
(ここでTrailer(予告編)が見れます。)↓
http://www.klimtderfilm.at/index.html

ウィーン分離派 コンパクトミディ・シリーズ 2冊セット シーレ・クリムト
ウィーン分離派 コンパクトミディ・シリーズ 2冊セット シーレ・クリムト
キャサリン ディーン, Katherine Dean, 冨田 章

☆ちなみに第78回アカデミー賞主要部門受賞作品は以下の通り。

■作品賞:『クラッシュ』
http://www.crash-movie.jp/

■監督賞:アン・リー(『ブロークバック・マウンテン』)
http://www.wisepolicy.com/brokebackmountain/

■主演男優賞:フィリップ・シーモア・ホフマン(『カポーティ』)
http://www.sonyclassics.com/capote/

■主演女優賞:リース・ウィザースプーン(『ウォーク・ザ・ライン/君に続く道』)
http://www.foxjapan.com/movies/walktheline/

■助演男優賞:ジョージ・クルーニー(『シリアナ』)
http://wwws.warnerbros.co.jp/syriana/

■助演女優賞:レイチェル・ワイズ(『ナイロビの蜂』)
http://www.nairobi.jp/

■脚本賞:『クラッシュ』

■脚色賞:『ブロークバック・マウンテン』

■楽曲賞:「It's Hard Out Here for a Pimp」(『Hustle & Flow』)

■音楽賞:『ブロークバック・マウンテン』

■アニメーション作品賞:『ウォレスとグルミット 野菜畑で大ピンチ』
http://www.wandg.jp/teaser/index.html

■ドキュメンタリー作品賞:『皇帝ペンギン』
http://www.gaga.ne.jp/emperor-penguin/index2.html

■視覚効果賞:『キング・コング』
http://www.kk-movie.jp/top.html

■美術賞:『SAYURI』
http://www.movies.co.jp/sayuri/

■撮影賞:『SAYURI』

■メイクアップ賞:『ナルニア国物語/第1章:ライオンと魔女』
http://www.disney.co.jp/movies/narnia/shell_content.html

☆『ウォーク・ザ・ライン/君に続く道』がいい映画だったので、主演女優賞にリース・ウィザースプーンが選ばれたのは他人事ながら、うれしかったです。あと助演男優は、ジョージ・クルーニーよりも『シンデレラマン』のポール・ジアマッティにとってほしかったですねえ…。
そうそう、アニメーション作品賞は『ウォレスとグルミット 野菜畑で大ピンチ』!
ニック・パークはクレイ・アニメーションの神様っす!

ウォレスとグルミット コンプリートDVDボックス (完全限定生産)
ウォレスとグルミット コンプリートDVDボックス (完全限定生産)

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ウォーク・ザ・ライン 君につづく道


『ウォーク・ザ・ライン 君につづく道』↓
http://www.foxjapan.com/movies/walktheline/

エルヴィス・プレスリー、カール・パーキンスらとともにロカビリーの黄金時代を築いたジョニー・キャッシュと、彼の2度目の妻となる、ジューン・カーターとの10数年に及ぶ愛の奇跡をみつめた物語。
いい映画でした。主演のホアキン・フェニックスとリーズ・ウィザースプーンが素晴らしい!とんデモ映画『サイン』に出演したことで、ホアキン…これから大丈夫か…。と演技者としての彼の将来を心配していたものの、この作品でのジョニー・キャッシュ役の演技を見て、それも杞憂に終わりました。とにかくホアキンいい目してるぜ!と思わせる迫真の演技です。『サイン』のときよか数百倍演技に力はいってる感じで、やっぱ『サイン』の時はやる気なかったんやなあ…と思わずにはいられませんでした。『サイン』を見終わった時のがっくり感と言ったらもう…、シャマラン監督に土下座してもらっても許せない感じだったわけで…。『ウォーク・ザ・ライン 君につづく道』に主演したことで、今まで付いてまわったリバー・フェニックスの弟というレッテルもなくなるのではないかと思います。
ちなみに生前のジョニー・キャッシュからキャッシュ役はホアキンでと直々に指名を受けていたらしいですが、スゲエ納得。歌もバッチシ!ドラッグに溺れてゆくラリッっぷり演技も最高!と言うことなし。なにより、父との確執を見事に表現していてその演技は胸が痛くなるほど。
リーズ・ウィザースプーンは泣くシーンでの眉間から額にかけてよるしわが、なんかすごく気になったものの、さすがは今年のアカデミー主演女優賞にノミネートされただけのことはあります。うまいです。劇中の歌のシーンはホアキン・フェニックス、リーズ・ウィザースプーンともすべて吹き替えなしの自分たちで演じたそうで、外国の役者さんはなんでもできるんやなあ…!と感心せずにはいられませんでした。脇をかためる役者の演技も目立ちすぎず大げさすぎず、実にうまい。(一人、ジェリー・リー・ルイス役のウェイロン・ペインはライヴシーンで目立ちまくってましたが!)
ジョニー・キャッシュの父親役、ロバート・パトリックは、息子を理解しようとしない(できない)朴訥で厳しく不器用な父親を巧みに表現していて、この映画の影の殊勲者だと思います。
ミュージシャン伝記物としては個人的に『Ray』よりもグッとくるものがありました。ロック好きの人は見とかなきゃ絶対損っ!ってな映画です。しかし、大阪では単館系でのロードショーってのが実に残念。いい映画なので、もうすこし拡大ロードショーとかしてもいいのではないかと思うんですが…。 

ウォーク・ザ・ライン 君につづく道 特別編
ウォーク・ザ・ライン 君につづく道 特別編

ウォーク・ザ・ライン~君につづく道
ウォーク・ザ・ライン~君につづく道
サントラ, ホアキン・フェニックス, リーズ・ウィザースプーン, ウェイロン・マロイ・ペイン, ジョナサン・ライス
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プルーフ・オブ・マイ・ライフ

プルーフ・オブ・マイ・ライフ
プルーフ・オブ・マイ・ライフ
David Auburn, Rebecca Miller, 池谷 律代, デイヴィッド オーバーン, レベッカ ミラー

『恋に落ちたシェイクスピア』、『コレリ大尉のマンドリン』を撮ったジョン・マッデン監督の最新作ということで『プルーフ・オブ・マイ・ライフ』を見てまいりました。↓
http://c.gyao.jp/movie/proofofmylife/
主演はコールドプレイのフロントマン、クリス・マーティンの嫁はん、グウィネス・パルトロウ。天才数学者である父親役にハンニバルな男アンソニー・ホプキンス!んでもって、出演している『ブロークバック・マウンテン』がアカデミー作品賞を取りそうな勢い、若手売れっ子俳優ジェイク・ギレンホールがグウィネスの相手役と、この映画、実はそうそうたる面子がそろっとるわけなんですが、テレビで予告CMが流れることもなく非常に地味に公開されとります。まあ、地味な宣伝戦略同様この映画、飯●愛ねえさんが化粧を落とした素顔のように内容も実に地味…。あきらかに大ヒットは望めない映画なわけですが、僕は好きです。(でも、けっして傑作!とは言えないです…。)この映画、もとはピュリッツァー賞、トニー賞を受賞した『プルーフ』という舞台劇。(この舞台も、ジョン・マッデンが監督、グウィネス・パルトロウが主演している。)プルーフってのは証明って意味でして、プルーフ・オブ・マイ・ライフは直訳すると私の人生の証明。この題名どおり、天才数学者である父を亡くし喪失の淵から、自分自身を取り戻し、発見していく一人の女性(彼女にも数学の才能がある。)を描いた小品映画です。もとが舞台劇ということで、室内での会話シーンが多く、出演者の演技力がかなり問われる映画だったんですが、アンソニー・ホプキンスって人はほんと、うまいです。天才数学者の狂気を、おさえた演技で巧みに表現してました。撮影前に役作りをほとんどしないともっぱらの噂の天才肌俳優ホプキンスは、彼自身、天才がゆえ同じような天才を演じることは造作無いことなんでしょう。ヒロイン役、グウィネス・パルトロウは、キンキンとヒステリックに叫ぶシーンが多くちょっと辟易したものの、さすがは育ちの良いセレヴ。演技もそつなくこなすのは流石です。がセレヴゆえ、庶民の着るような服が似合わないこと…。ダウンジャケットにニット帽をかぶったシーンが何度か出てくるのですが、はっきりいって全然似合ってませんでした。やはりセレヴな彼女に似合うのは、オートクチュールのドレスなのでしょう…。演技派女優をする上で、育ちが良すぎるのは微妙にマイナス要素なのかも知れません。相手役のジェイク・ギレンホールはこの映画を象徴するかのように地味です。いい役者だと思うので彼を生かしきれていなかったのはちょっと残念。『ブロークバック・マウンテン』↓
http://www.wisepolicy.com/brokebackmountain/
そして、デヴィッド・フィンチャー監督の最新作『Zodiac』の演技に期待したいところです。
しかし、ジョン・マッデン監督は実に丁寧に映画を撮りますなあ。人物描写も、そんじょそこらのお涙青春もの映画よりしっかりしているし、ラストも大感動をさそうような爽やかな終わりにしないあたり好感が持てました。
天才数学者である父と娘の天才であるがゆえ、社会と上手く折衝できない苦悩みたいなものも、うまく描けていると思いました。何時間も数字と記号と向き合い、自分の持てる能力を答えを導くがためだけに使う数学者ってのは、一心不乱に筆を走らせ、自分の表現を追求しようと格闘する芸術家(ゴッホとかヴラマンク系の人ですね。)と似ていて実にかっこええやんけ〜!と数学の苦手な僕なんかは、映画とは別なところでちょっと感動いたしました。
 
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