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ブラザーズ・グリム

The Brothers Grimm [Soundtrack]
The Brothers Grimm [Soundtrack]
 
かってはモンティ・パイソンの一員、今や突出したイマジネーションを持った映画監督、テリー・ギリアムの7年ぶりの新作『ブラザーズ・グリム』を見た。
かなり期待していただけに感想は…
う〜ん…ちょっと残念か。
映像もところどころギリアムらしく、ブラック・ビターな雰囲気はあるにはある。
(アンジェリカ(レナ・ヘディ)が湖(沼?)に沈んでゆくシーンなんかは、ジョン・エヴァレット・ミレイの名画『オフィーリア』への完璧なオマージュで実にアーティスティック!)
ストーリーもところどころ、これまたブラックで、かわいた笑いもあるにはある。が、全体として見ると、なにかギリアムらしくない。
僕の歴代映画ベスト10には必ず入る名作『未来世紀ブラジル』に感じられたような、ギリアムらしい痛烈な皮肉が『ブラザーズ・グリム』にはほとんど感じられなかった。よく言えば、安心して見れる映画。ハリウッド!!って感じである。でもギリアム映画ファンは、そんな甘っちょろい映画を望んではいないのである。個人的にはなんとも消化不良気味な映画であった。そもそも主演のマット・デイモンからしてハリウッドな匂いプンプンだ。キャスティングの初期段階では、マット・デイモンではなくジョニー・デップが配役されていたらしいが、もったいない…。どう考えても、ギリアム映画にはデップだろっ!!『ラスヴェガスをやっつけろ!』ではハゲづらかぶって、がに股で歩いてくれた男だぞ…。しかも、初期設定(ギリアムの意向。)ではデイモン君、特殊メイクで潰れた鼻にする予定だったらしいが、ミラマックス社長ワインスタインの「そんなことしたらマット・デイモンのファンが見に来なくなるやん!あかんで!」発言できれいな(?)お顔のままということに…。ギリアムはキレたが、鼻をいじらなければ予算を追加するということでどうにか折れたらしい。かわいそうな、ギリアム監督。この映画でも自分の撮りたい映像の半分も撮れなかったのではなかろうか?もし彼のイマジネーションが、映画会社の金儲けの制約を受けずにありのままに表現できていたら、スゴい映画が撮れると思うんだけど…きっとヒットはしないんだろうなあ…。
これはもう、テリー・ギリアムの公開待機作『TIDELAND』に期待するしかないっす! 

★『TIDELAND』英語版サイト↓
http://www.tidelandthemovie.com/  

★マット・デイモンは『グッド・ウィル・ハンティング』以外は僕的に全然ダメなんですが、今回マットの弟役演じたヒース・レジャーはオタクな感じがなかなかグーでした。
あと『ファーゴ』では無口でえげつない奴を演じてた、ピーター・ストーメアが明るいイタリア人演じてたのにかなりの違和感。この人演技の幅意外に広いのね…とちょっと感心。

★まあしかし『ブラザーズ・グリム』の目玉はなんと言っても、モニカ・ベルッチの美しさでしょう!ほんと整った顔立ち!
ドーベルマン、ヴァンサン・カッセルがうらやましくて、しゃあないわけですよ僕はっ!!

ブラザーズ・グリム DTS プレミアム・エディション (限定生産)
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