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ステイ

オリジナル・サウンドトラック「ステイ」
オリジナル・サウンドトラック「ステイ」
サントラ

☆『ステイ』公式サイト↓
http://movies.foxjapan.com/stay/

『チョコレート』でハル・ベリーにアカデミー主演女優賞をもたらした、マーク・フォースター監督最新作『ステイ』。
主演にトレインスポッティング男、ユアン・マクレガー、『君に読む物語で全米を泣かせたライアン・ゴズリング、『21グラム』でアカデミー主演女優賞にノミネートされたナオミ・ワッツとなかなか豪華な面子。ボブ・ホスキンスが脇役として出演しているのもうれしいところ。(ボブ・ホスキンスの盲目の表現はスゴかった。CGか、偽レンズを使っているのかと思ってましたが、パンフレットによると、どうやらなにも使ってないらしいです。)
映画の中の現実世界に、もう一つの虚構世界が徐々に姿を現してきて、何が現実で何が現実でないのか?これは誰かの頭の中の妄想世界なのか?と世界観が根底から揺らいでゆく展開が実にスリリングでした。(フィリップ・K・ディックの短編小説『地図にない町』にも見られるようなパラレルワールド出現物語であります。)脚本を書いたのは、スパイク・リー監督作『25時』↓

25時 スペシャル・エディション
25時 スペシャル・エディション

の脚本を書いた、デイヴィッド・ベニオフ。(なんでも『ステイ』の脚本は150万ドル!!(一億ウン千万円…)の値で映画会社に買い取られたのだとか。)物語は、パズルのように錯綜して展開してゆくので、一回見ただけでは、細部まではなかなか読み解けない感じ。僕は何回も見たい衝動に駆られました。映像の凝り方もすごく、ユアン・マクレガーの姿が徐々にライアン・ゴズリングへと変化し場面転換するところなどモーフィング技術がうまく利用され、現実ともう一つの世界の境界の曖昧さを強調するのに効果をあげていて、デヴィッド・リンチ映画のような不条理さを醸し出していました。ただマーク・フォースター監督の演出は、不条理でありながらも、デヴィッド・リンチ監督のように、物やセット、シーン自体のバランスにこだわるのではなく人間の(俳優の)感情の部分に重きを置いているように感じました。ラストの儚さは、人間の感情を大事にするマーク・フォースター監督だからこそ、だせた演出だったと思います。

不確かな現実のなかで懸命に何かを伝えようとする意思。 
記憶と現実の曖昧さの中で伝える事の意味。
心に残る映画でした。 

☆重要なモチーフとして映画に出てくる、ブルックリン橋の一部を抽象的に様々な角度から、描いた連作12点の絵がとにかくカッコよかったです。ぼやけたブルーの色彩が非常に奇麗でした。 
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