フランク・ロイド・ライト全作品
William Allin Storrer, 岸田 省吾
●雨の日に食堂に行くには屋根のないところを通らなければならず、必ず濡れてしまうおちゃめ?な某芸大からの同窓であるY君のオススメスポット、兵庫県は芦屋市の山手という高級住宅に荘厳と佇む『ヨドコウ迎賓館』に行ってまいりました。設計は名前からしてかっちょよい、建築界の巨匠フランク・ロイド・ライト氏であります。そのむかし、灘の酒造家8代目の山邑太左衛門(やまむら たざえもん)の別邸として建設されたというこの邸宅、西洋と和のイメージを合体させた、独特な趣を感じさせる、さすがはお金持ちさんが住んでいたお家でありました。樹木や草花などを抽象化した壁面の飾り窓、葉をモチーフにした飾り銅板(わざわざ銅を腐食し緑青(ろくしょう)を発生させ、葉の色に近づけているとこがスゴイ!)などの凝った意匠が目白押し。フランク・ロイド・ライトの凝り性っぷりに圧倒される建物でありました。
ここ絶対掃除が大変な家です!(まあ、お手伝いさんが掃除してたんでしょうけど・・・。)
2回の応接間の天井横に湿気対策としての通風孔が何十個も連なってあるのですが、日本独特の梅雨や秋の長雨、台風などにライトの考えが至ってなかったらしく、この通風孔のせいでかなり雨漏りしたらしいです。なにごとも凝りすぎはよくないのかも・・・。
雨漏りしてたって・・・
かなり致命的な欠陥なんじゃ・・・
巨匠のくせに・・・ちょっとお間抜け。
なんか雨漏り問題により、天才ライト氏にちょっと親近感がわいた日でした。
★『ヨドコウ迎賓館』
http://www.yodoko.co.jp/geihinkan/
●『ヨドコウ迎賓館』行ったついでに、神戸にまで足をのばし、『神戸らんぷミュージアム』にも行ってまいりました。
むかしのらんぷのデザインってなんかよい。
とくに気に入ったのが中国から日本に伝来したといわれる、
”ねずみ短檠”。
ねずみを形取った油容器を灯柱の頂部に置き、火皿の底にあけられた小さな孔を通る空気圧を利用して、ねずみの口から油を補給し、一定の明るさを長時間保つという代物。構造もさることながら、ねずみの口から油がポタポタと火皿に落ちる瞬間のおつなこと!実にわびさびならんぷっす。こういう遊び心のあるものが僕は大好きです。
★『神戸らんぷミュージアム』
http://www.kobe-lamp.com/