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ニキ・ド・サンファル展

若いころファションモデルの仕事をしていたことは知っていました。
(『ヴォーグ』や『ハーパース・バザー』、『ライフ』の表紙を飾っていたとは、知りませんでしたが!)
美術館の常設展に飾られている、彼女のオブジェ作品を何度か見たこともありました。
その時は、特にこれといった感動も感慨もわかなかったのですが、今回、ペインティング、版画、オブジェなど、初期から後期までの変遷が辿られている回顧展で、ニキ作品の全体像を見て、わたくし、いたく、いたく感動いたしました!
いや〜、ほんと素晴らしい!!
おもわず図録も衝動買いです↓

(表表紙、裏表紙ともに少し弾力性を持たせた、フカフカ造本が面白くてイイ感じ!)

クリス・オフィリ(1998年にターナー賞(イギリスで審査される現代美術の賞。まあ映画でいうところのアカデミー賞みたいなもんです。)を受賞した画家。)のペインティングを彷彿とさせる初期作品、
☆『女性の肖像(自画像)』↓(左ページの作品)


◎ちなみにこれがクリス・オフィリ作品↓

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ジャスパー・ジョーンズの『標的(Target)』↓
http://www.smma-sap.or.jp/col2-2.htm
に、ニキの女性的な感情を味付けしたかのような、
☆『聖セバスチャン、あるいは私の愛人のポートレート』↓(右ページ)

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ルイーズ・ネヴェルスンの作品にも通ずる、アッサンブラージュ作品、
☆『カテドラル』↓(左ページ作品)


◎んでルイーズ・ネヴェルスンの作品がコレ↓

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など初期作品群は、当時のヌーヴォー・レアリスム、ネオダダなどの美術運動に影響を受けつつも、ニキ自身の表現を模索している感じが如実に表れていて、非常に興味深くおもしろかったです。特に『カテドラル』はニキが制作において、いつも念頭にあったでであろう、男性社会における女性性、権力のもとにある宗教の歪みがテーマの作品。機関銃を構えたおもちゃの兵隊、飛行機、消防車、怪獣、馬のおもちゃなどすべて男性性を象徴するかのようなものをこれでもかっ!!とたくさん貼っ付けて大聖堂(カテドラル)の形を作りあげていて、偏執狂的なパワー炸裂でかなりキテる作品でした。これらの初期作品から、彼女の代表作品ともいわれるナナシリーズへと至る過程は、見ていてほんとスリリング。鮮やかな色彩&丸みを帯びた魅力的な形を有するオブジェ、ポップな絵に内省的な言葉をちりばめた版画作品は、ついに彼女が自分のオリジナリティを見つけたといわんばかりのエネルギーに満ちあふれていて、ただただ圧倒されるばかりでありました。
☆ナナシリーズオブジェ↓

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ガウディの建築物、ボマルツォの『怪獣庭園』(イタリア、ローマ郊外にあるボマルツォという小さな街にある奇妙な庭園です。澁澤 龍彦氏が、度々本で紹介している場所です。)、シュバルの理想宮(郵便配達夫フェルディナン・シュバルが33年かけたった一人で作り上げた奇妙な宮殿ですね。)にインスピレーションを受けてイタリアに建設された、ニキ晩年のライフワーク『タロット・ガーデン』も前述の建築物同様、脅威の異相感を醸し出していてシビレまくること、このうえなしっ!いつか絶対訪れたいっす。↓

 
☆タロットガーデンのサイトはコチラ↓
http://www.nikidesaintphalle.com/

ボマルツォの怪物―澁澤龍彦コレクション 河出文庫
ボマルツォの怪物―澁澤龍彦コレクション 河出文庫
A・ピエール・ド・マンディアルグ, 澁澤 龍彦

☆郵便配達夫シュヴァルの本↓
郵便配達夫シュヴァルの理想宮
郵便配達夫シュヴァルの理想宮
岡谷 公二
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ニキ・ド・サンファル、僕は今回の展覧会を見るまで、この芸術家の事をかなりあなどってました…。
いや〜、実際、これだけの作品群を見せられるともう…ほんとスゲエッ!!と唸る意外ありません。まじカッコよかったっす!!↓

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☆『ニキ・ド・サンファル展』
■会場:大丸ミュージアム梅田↓
http://www.daimaru.co.jp/museum/index.html  
■展覧会期:2006年3月26日〜4月9日
■開館時間:午前10時→午後7時30分
※最終日は午後4時30分まで(午後5時閉場)
■入場料:一般900円(700円)、大高生700円(500円)、中学生以下無料

☆ニキ・ド・サンファル展、
2006年5月11日〜5月22日は大丸ミュージアム東京、
2006年6月17日〜8月15日は名古屋市美術館、
2006年8月22日〜9月24日は福井市美術館と巡回していくようです。
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☆栃木県にあるニキ美術館のサイトはコチラ↓
http://www.niki-museum.jp/


ニキ・ド・サンファル
ニキ・ド・サンファル
増田 静江
  
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