LORETTA LUX
ロレッタ・ラックス
最近気になるのは1969年生ドレスデンまれの女性写真家ロレッタ・ラックスの写真。パステル調の淡い色調に縁取られた無垢な瞳を持つ子供達。初めて見た時は絵ではないかと思ったのだが、デジタルカメラで撮影した子供達(多くは友人の子供達。)と風景写真、及び描いた背景物をデジタル合成、色彩を調整したものをプリントしているらしい。
一瞬、見ると色彩もとても美しく、子供達もかわいらしい。
しかし、よーく見てみると、生きた子供達をモデルに使っているのにかかわらず、彼女の写真はとても無機質。(子供達にまるで生命力が感じられず、オブジェ化している。)永遠の幼児性を内包した人形を具現化したかのような写真群は、歳を取り決して子供へは戻れない大人達が持つ、子供時代への憧憬を観賞者の脳裏に残酷なまでに刻みつける。やわらかで、純真無垢な色彩の中に、メランコリー(憂鬱)とノスタルジア(郷愁)が、ないまぜとなって潜んでいるのだ。
ロレッタ・ラックスの写真は凶暴なまでにロマンティックなのだと僕は思う。
ロレッタ・ラックスのHP(英語です。)↓
http://www.lorettalux.de/
★ロレッタ・ラックスの写真が東京国立近代美術館で10月25日から開催される、『ドイツ写真の現在』展で見れます!↓
http://www.momat.go.jp/Honkan/
German_Contemporary_Photography/
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