ガス・ヴァン・サント監督、最新作『ラストデイズ』を見ました。
1994年4月5日、この世を去った『ニルヴァーナ』のカート・コベイン。
猟銃自殺と言われてますが、本当に自殺なのか真意は定かではありません。婦人であったコートニー・ラヴが実は…。ってな噂もあったりします。
ガス・ヴァン・サント監督は、そのカートが死に至る2日間に焦点をあて、架空のロック・スター、ブレイクというカートの分身を作り上げ、彼が死へと向かう架空の物語をドキュメンタリータッチの手法で詩的に撮り上げます。
もう、この映画ヘコミ度120%…。
ブレイク役のマイケル・ピットの演技が、ダウナーなカートになりきっていて、見ていてスゲエ息苦しい。小声でぶつぶつと意味不明な事をしゃべるとこなんて、演技とは思えないほどの狂気を孕んでました。劇中、マイケル・ピットがアコギ一本で歌う『death to birth』(マイケル・ピット自身が作詞作曲。)は鬼気迫るものがありました。きっとこの映画同様、若くして巨大な成功を手にしてしまった本物のカートも、神経を擦りに擦り減らしたギリギリのとこで人生を綱渡りしてたんだろうな…。と思わせるほどの迫真の演技でありました。
鬱ってのは、まわりにウツルなんてことも言われたりしますが、ダウナーなこの映画、見ていて非常に疲れる映画でありました。『ニルヴァーナ』に興味がない人には、この映画さっぱりわけがわからん映画かと…。一人の頭に狂気を飼っている人間(しかも、その頭の中はけっして覗く事ができない。)が自殺するまでをたんたんと映像にして垂れ流している感じ。正直、『ニルヴァーナ』好きでもちょっとキツいところがあります。『ジェリー』『エレファント』に続き『ラストデイズ』という作品を撮った、ガス・ヴァン・サント監督。
あきらかにハリウッド映画と決別したように思えました。
☆ラストデイズのサイト↓
http://www.elephant-picture.jp/lastdays/
☆ガス・ヴァン・サント監督のインタビュー記事ページがありました。↓
http://www.theaterpark.jp/sp/usa/4.html
☆↓この本にカート・コベインの猟銃自殺に関する話が少し載ってます。
ダークサイド・オブ・ロック
山崎 智之, 川嶋 未来, 平野 和祥