☆サイレント・ヒル公式サイト↓
http://www.silenthill.jp/main.html
サイレントヒル プレミアム・エディション
『ロ−ズ・イン・タイドランド』のジュルジュ・フェルランドが出演。そしてプロダクション・デザイナーにわたくし大リスペクト!のキャロル・スピアー(彼女はクローネンバーグ作品『ヒストリー・オブ・バイオレンス』『イグジステンズ』『エム・バタフライ』『デッドゾーン』などの美術、他には『ブレイド2』の美術なんかも担当。ダークな世界観を構築させたら天下一品の才媛です。かなりのおばちゃんですが…)が起用されている!ことを知り、こりゃ観とかなイカン!とストーリーは期待せず、架空の街『サイレントヒル』の不気味な世界観をどれだけ表現出来ているかを楽しみに観てきました。
いや〜!
映像ビジュアル…
ヤバイっす!
クリーチャー・デザイン担当のパトリック・タトポロス(アメリカ版『ゴジラ』のゴジラデザインをやった人。)のクリーチャ−の造形もイイなぁ!
もう、気持ち悪いのなんの。動きが滑稽なのなんの!
ストーリーそっちのけで、クリーチャーとセットに見入ってしまいました。
劇中には、現在にある現実のサイレントヒル、霧に包まれ雪のような灰が降りしきるサイレントヒル、30年前のサイレントヒル、そして暗黒のサイレントヒルと四つのサイレントヒルが出てくるのですが、とにかく、これらのサイレントヒルのセットの緻密さ&廃墟っぷりが素晴らしい。廃墟好きにはたまらん映像のオンパレ−ド。特にサイレンが鳴り響き、霧のサイレントヒルが暗黒のサイレントヒルへと変化する瞬間、古ぼけたサイレントヒルの町並を赤茶けた錆が覆ってゆくシーンのCGの出来が素晴らしい!このシーンを見れただけで『サイレントヒル』を見た価値があったってもんです。
映像のこだわり方は、デミアン・ハーストなど現代美術作家のビジュアル・イメージを
これでもかっ!!とパクりまくったターセム監督の『ザ・セル』↓
ザ・セル デラックス版〈特別プレミアム版〉
の映像美に近いセンス。
ネオ・ゴシックな雰囲気が非常に良し!でありました。
ジョエル・ピーター・ウィトキンの作品↓
http://www.art-forum.org/z_Witkin/gallery.htm
やスワヴォミル・ルミャックの作品↓
の恥美的なイメージにも多少影響受けたりしてんのかなあ。と思ったりもしました。
期待していなかったストーリーも、斬新さはないものの思っていたよりも良く出来ていて、監督のクリストフ・ガンズ(『ジェヴォーダンの獣』の監督ですね。)の演出もなかなかうまかったです。
日本のゲームを映画化した作品にはトンデモ映画が多い中、(例えば…ジャン・クロード・ヴァン・ダム主演の『ストリート・ファイター』に、クッパ役にデニス・ホッパーを起用するちゅう、金満ロッカーっぷりを見事発揮した『スーパーマリオ』など…。)『サイレントヒル』は丁寧に創り込んでいて好感がもてました。兎に角、セットの凝り方が半端ない映画でありました。
ジェヴォーダンの獣 ― スタンダード・エディション