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笑いの大学

笑の大学 スペシャル・エディション
笑の大学 スペシャル・エディション
三谷喜幸原作・脚本の映画『笑いの大学』を観た。
昭和15年、戦争への道を突き進みはじめた日本。 
そんな時期に笑いは不謹慎とばかりに、国民娯楽である演劇は上演前から、お堅い検閲官によって台本が添削され、その検閲官の規制に従わない脚本家の劇はたちまち上演中止になっていた。そんなおり、警視庁の取調室に呼び出された『笑の大学』座付作家、椿(稲垣吾郎)は検閲官、向坂(役所広司)の検閲を受ける事になる。
取調室で検閲を受けるたびに、二人の間にかすかな友情のようなものが芽生えてくるが・・・
と言うお話。映画の半分以上が役所広司と稲垣吾郎の取調室での会話劇。否応なく二人の演技力が確かめられるわけです。 
もう、ひとことで言って役所広司は天才!この演技は日本人誰が観てもスゴイ・・・と思うはずです。演技のうまさ、表現の多様さに現代日本にも、こんなスゴイ役者さんがいるんやなあ〜と心底、感心させられました。吾郎ちゃんの演技も悪くはないのだけど、天才役者のまえでは・・・明石やさんまとつぶやきシロー。もとい、サザンと大事マンブラザーズバンド状態です。・・・まあようするに、てっちり嗜む大人と、旨い棒をうまそうに食う子供ぐらいの差があるわけです。と言いつつ、役所広司に引っ張られる形で吾郎ちゃんも、がんばって演技しているので二人の演技合戦、充分見ごたえアリでした。
ストーリー的には、前半、少々展開がゆっくりで間延びした感がありましたが、後半から、ぐんぐん急加速!二人の会話劇に目が離せなくなります。ラストもこれまた切ないねん・・・。
笑って最後に切なくさせる。良い映画の見本のような映画でした。

●ちなみに椿(稲垣吾郎)のモデルとなったのは実在の人物、喜劇王榎本健一(エノケン)の座付作家菊谷栄。検閲に泣かされながらも、エノケンの全盛期を陰で支えていたんですが、作家としてもっとも脂が乗っていた時期に召集。35歳という若さで戦死しています。この事実を知った上で『笑いの大学』を見ると。ラストがよけい胸に滲みます。
 

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