9月の中頃から仕事で関東方面に行くので、その合間をぬって展覧会に行こうと目論どります。
いや〜、東京方面はいい展覧会やりますねえ!
とりあえず是が非でも行こうと思っているのが、
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『シュヴァンクマイエル』展
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ローリー・アンダーソン『時間の記録』展
■杉本博司『時間の終わり』展の三つ。
行ければいいなあ…と思っているのが、
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『Brassai ブラッサイ ポンピドゥーセンター・コレクション』展
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やなぎみわ『無垢な老女と無慈悲な少女の信じられない物語』展
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『イサム・ノグチ』展あたり…。
う〜ん、かなり楽しみな面子。全部行けたらいいなあ…。
んで、今日のお題は杉本博司『時間の終わり』展であります。
杉本博司さんはニューヨークを拠点に活動されているアーティスト(写真家)です。杉本さんは日本よりも海外で有名なんですが、これは彼が商業写真ではなくアートとしての写真作品を発表しているため、メディアなどの露出が低いためであることと、日本では芸術が文化として根付いていないことに起因するとのではないかと個人的には思っています。
僕がはじめて見た杉本博司作品は…
『海景(seas scapes)』シリーズ。
これは水平線を挟んで、画面をほぼ2分割にし、上部に白くぼやけた空、下部に波の小さな海がただ写っているモノクロ写真。被写体をシンプルな形で印画紙に焼きつけた作品でした。しかし、よく見るとシンプルな画面構成でありながら、日本の水墨画を思わせような濃淡を画面のそこかしこに見つける事が出来ます。瞑想中の哲学者の頭の中に広がる景色は、この海景(seas scapes)に写る静かな世界のような感じなのではないかと思いました。
まさに静寂の世界!!(コールドプレイ!?)
と言った趣に僕はかなり衝撃を受けたのを覚えています。
杉本博司さんの写真作品はほとんどがモノクロで画面構成も極めてミニマム。しかし、見る側はそれらのシンプル写真から多くの事柄(記憶、時間、世界etc…)を感じ取ることができると思います。
●映画1本分を露光し続け、スクリーンに真白な光を現出させた『劇場』シリーズ
●意図的に焦点をぼかして建築を撮り、建築家の脳内に浮かんだイメージを印画紙の上に現出させた『建築』シリーズ
●自然史博物館のジオラマ展示を撮影し、作り物の動物や景色を本物のように見せる『ジオラマ』シリーズ
などが作品シリーズとしてあるんですが、どの作品もすべて静謐な美しさを内包していて、見るたびその写真技術のスゴさに感動し驚かさせられます。
森美術館での杉本博司『時間の終わり』展、今から非常に楽しみです!!
なんと9月15日号の雑誌ブルータスは『杉本博司』特集号!
ニューヨークのアトリエを見れたり、主要作品解説があったりと、かなり濃い内容でビックリしました。600円だしお買得だと思います。これは思わず買ってしまいました。
★ブルータス『杉本博司』特集号↓
http://www.brutusonline.com/brutus/issue/index.jsp
★杉本博司初の評論集『苔のむすまで』も発売されとります。
写真も多数収録。カバーの裏側に作品『sea of buddha』が印刷されていたりと装丁も凝っています!
苔のむすまで
杉本 博司
↑ちなみにこの表紙に写るぼやけた建造物はニューヨークのワールド・トレード・センター。1997年に撮られた写真だそうです。墓標のような佇まいは、まるでテロによる崩落を予言していたかのようにも写ります…。あの9月11日、杉本博司さんはニューヨークにいたそうで、その時のこともこの本に書いてありました。
★杉本博司『時間の終わり』展
■期間:2005年9月17日(土)〜2006年1月9日(月・祝)
■場所:森美術館(森タワー53階)
森美術館HP↓
http://www.mori.art.museum/html/jp/index.html
■時間:10:00〜22:00|火10:00〜17:00|いずれも入館は閉館時間の30分前まで
※11/22(火)、1/3(火)は22:00まで開館時間を延長
(但し10/19(水)は休館、10/20(木)、1/4(水)は17:00閉館)
■料金:一般?1,500、学生(高校・大学生)?1,000、子供(4歳以上-中学生)?500